ネットリサーチ

ネットリサーチとは

市場調査は、新商品の開発やプロモーションなど色んな目的で活用されています。特に近年はインターネット上でリサーチを行うことも増え、質問から回答の収集まで手軽に行うことができるようになっています。このことを「ネットリサーチ」と言い、「Web調査」と言われることもあります。ネットリサーチを行う場合、回答者はインターネットを介してアンケートサイトにアクセス、Web上で回答してもらうことになります。ネットリサーチが一般に利用される以前は紙の質問票などを用いて行うことが多かったですが、ネットリサーチに移行することで、より短時間に大量のデータを集められるようになっています。

ネットリサーチの活用目的

新商品やサービスの企画

ネットリサーチは、新しい商品やサービスに対するニーズを見つけることに活用されます。さらに既存商品における顧客満足度や改善点の抽出などにもネットリサーチは有効です。

マーケティング

戦略策定においては自社の考えだけでなく、顧客目線が求められることもあります。ネットリサーチはそのためのマーケティングツールの一つとしても活用されます。

調査結果の発信

会社の運営するブログやメディアにおいて、ネットリサーチによって得た集計結果を発信すれば、より説得力のある主張をすることができるようになります。数値で客観的に表現することでコンテンツに対する信頼性を高め、さらにその内容が拡散されることで自社の認知度を上げることにも繋がります。

関連記事:ネットリサーチと従来の調査方法を比較、活用実例も紹介

ネットリサーチの進め方

ネットリサーチは下の4つの段階を経て進んでいきます。

調査企画

リサーチにおいては、まず「何を明らかにするのか」「誰に対する調査か」「調査対象は何人か」「どんな質問にするか」といったことを検討します。そこで調査対象の設定はできるだけ具体的に行います。調査対象の人数である標本サイズについてはその後の分析を意識して決定していきます。例えば、性別で比較するのか年代別に比較するのか、さらにこれらを組み合わせるのかどうか、どれだけ詳細に分析するのか先に決めておくことが大切です。

調査票作成~実査

ネットリサーチの企画ができれば調査票を作り、実査を行います。こうして調査およびデータ収集を行う際、質問の書き方には注意が必要です。回答する者によってニュアンスが違った形で伝わることがないようにしなければなりません。

集計

集計を行います。これには「単純集計」と「クロス集計」と呼ばれるものがあります。
単純集計では回答結果をそのまま集計しますが、これに対しクロス集計では複数の項目を組み合わせて分析していきます。

分析~レポート作成

集計したものを分析していきます。そしてこれらをレポートとしてまとめていきます。レポートはマーケティングにおける課題を解決するために活用され、企業の意思決定を助けるものとなります。調査票作成段階において立てた仮説通りの結果が得られればその通りに遂行し、異なる結果となった場合には戦略を見直すなど、重要な資料となるのです。

関連記事:ネットリサーチの進め方と注意点を解説

ネットリサーチを利用するメリット

省力化とコスト削減

ネットリサーチを利用すれば、紙の調査票を配布、回収する工程やデータ入力の必要がなくなるため従来に比べて大幅な省力化が期待できます。さらに紙そのものが不要になることで郵送料、調査にかかる人件費なども少なくて済み、コスト削減という面においてもメリットがあると言えます。

複雑な調査が可能になる

回答者に対する条件設定が設けやすく、例えば回答者をプロフィールから判別し評価の対象とする商品を分けることや、あるイベントに参加した者、あるいはある動画を視聴した者のみが回答できる、といった条件を付けて回答者を絞ることもできるようになります。こうした複雑な調査はネットリサーチだからこそ簡単に実施できることです。
このように、ネットリサーチでは「URL遷移」「アプリのダウンロード」「動画視聴」「訪問履歴」など、アンケートに入れることができる素材は多く、多様な調査が実施できます。さらに、同一回答者に対する継続的な調査の実施なども容易にできるため、より高度な調査結果を得ることができ、企業の意思決定に役立てることができます。

結果を素早く見られる

従来のリサーチ方式ではアンケート配布から回収、集計まで含めると長い時間を必要としていました。これをネットリサーチとすることで全過程を短時間で行うことができるようになり、結果をすぐに知ることができるようになります。場合によって調査開始から回答集計まで即日で可能ということもあります。

大規模な調査が可能

場所を問わず、いつでもどこでも回答ができるようになるため、従来に比べ多くの回答者を集めることが可能です。そのため調査内容の性質上、できるだけ多くの回収数を担保する必要性があるなら、ネットリサーチを活用するといいでしょう。

回答者の負担を少なくできる

ここまではリサーチを実施する企業視点でのメリットでしたが、ネットリサーチを利用することは回答者にとってもメリットのあることです。例えば回答内容に応じて設問の遷移を行うことがありますが、これがネットリサーチであれば迷うことなく非常にスムーズに進められます。「設問3で〇と答えた人は、設問8へ」といった分岐があっても、回答後自動的に画面上で遷移されることで回答者も余計なことを考える必要がなくなって負担を少なくすることができるでしょう。
複雑な分岐をするため難解な文章を書いてしまうと回答側も煩わしく感じてしまい、集計データに影響してしまうだけでなく、企業に対する印象にも影響してしまいます。ネットリサーチであればストレスなく進めやすくなります。

ネットリサーチを利用する際の注意点

回答デバイスにも着目する

ネットリサーチならパソコンやスマホ、タブレットなど、様々なデバイスで回答することが可能となりますが、使用するデバイスによって回答者層が異なるという点も忘れてはいけません。スマホやタブレットは比較的若年層に利用者が多いと言え、パソコンからだけ回答できる、という条件を設けてしてしまうと回答者に偏りが出てしまう可能性が出てきます。
さらにデバイスによって画面サイズが異なるという点にも配慮しなければなりません。スマホも対象とする場合には、小さな画面でも見やすいようにしておく必要がありますので、ネットリサーチ会社を選定するときにはマルチデバイス対応しているかどうかも確認しておくようにしましょう。

質問が多くなりすぎないようにする

ネットリサーチでは、ページ遷移を伴う質問をする場合、全部でどれだけの質問があるのか回答者が分からないというケースがあります。紙であればそのボリュームが分かりやすいですが、ネットリサーチでは視覚的にこうした情報が得にくいため、あらかじめ質問数を明らかにしておくか、過剰に質問を設けないようにしなければなりません。多く質問することでより詳細に情報を得ることができる一方、回答者が疲れてしまい、精度が落ちてしまう危険もあるのです。

虚偽回答の発生

調査の実施方法によってはプロフィールの詐称や不正回答が起きやすくなります。調査員による確認や監視がないことによって起こる問題です。これはネットリサーチに限ったことではありませんが、手軽に回答ができるネットリサーチでは、対策をしなければ虚偽回答が多く生まれてしまう可能性もあります。しかし柔軟な条件設定等、調査にあたり厳しい設定を設けることもネットリサーチなら可能です。そのため信頼できるネットリサーチ会社を選ぶことで虚偽回答の少ない結果を得ることができるでしょう。

ネットリサーチ会社の比較ポイント

どこまで任せることができるのか

ネットリサーチ会社でも、調査票作成から集計までを実施してくれるところから、分析まですべて実施してくれるところまで、サービス内容は多様です。調査から分析におけるアドバイスまで受けられるタイプを「リサーチャー・サポート型」タイプと言い、分析は自社で行うことになるタイプを「セルフ型」と言います。前者の方がコストと期間はかかるものの、調査の専門家のサポートが受けられることから、調査に慣れていない企業でも安心してリサーチが遂行できるようになるというメリットがあります。これに対しセルフ型は、自社に分析等のノウハウがある場合、素早く低コストでリサーチが実施できるというメリットが得られます。

料金体系

ネットリサーチを行う場合、依頼するネットリサーチ会社によって料金体系が異なるため、その点理解した上でコストの比較をする必要があります。例えば、「5問・100サンプル4万円~」といったケースや、「1問・1サンプル10円」という小さな単位で刻めるケースなどがあります。ただし発注最低単価が決められていることもあり、最低でも1万円分は利用した上で細かい数を指定できるといった料金体系の会社もあります。またリサーチャー・サポート型かセルフ型かによっても、カバーされる範囲が異なるため金額が大きく変わってきます。例えば同じ「5問・100サンプル」という内容でもセルフ型なら上のリサーチャー・サポート型と異なり「5,000円~」という料金設定がされている会社もあります。

関連記事:ネットリサーチの費用・相場を検証!具体的な価格も実例とともに紹介!

機能

同じサンプル数で金額が異なる場合には、そのプラン内で利用できる機能に差があることがありますので、その点も考慮して選定する必要があります。例えば比較的低コストで実施できるセルフ型ですが、こちらではアンケート作成機能に加え画像挿入や集計機能までというシンプルな内容であることが多いです。一方リサーチャー・サポート型なら提示されている料金プランの中により多くの機能が搭載され、分析・レポート作成まで任せられるという違いがあります。

ドゥ・ハウス リサーチサービス

ドゥ・ハウス リサーチサービス

特徴

「ドゥ・ハウス リサーチサービス」は、商品開発のためのリサーチから上市後の店頭リサーチまで各種リサーチサービスを提案します。主に、消費者リサーチ(定性調査)と店頭リサーチがあります。消費者リサーチでは、リアルな事実データで、マーケターの「仮説」づくりや検証をしたり、店頭リサーチでは、生活者の商品選択の意思決定に影響する様々な要因を「売り場」「買う人」「売る人」の3つの側面からひもといていきます。

料金

問い合わせが必要

Webサイト

https://www.dohouse.co.jp/research/

CREATIVE SURVEY Research

CREATIVE SURVEY Research

特徴

「CREATIVE SURVEY Research」は、全世界60カ国1500万人の調査パネルと連携しており、あらゆる国のあらゆる対象者にアンケート調査を行うことが可能です。デザイン調査機能を活用してビジュアル面の調査やクリエイティブのフィードバックなど、今までの調査ツールでは難しかった質問が可能になります。

料金

問い合わせが必要

Webサイト

https://jp.creativesurvey.com/research/

SPIRAL®

SPIRAL®

特徴

「SPIRAL®」は、だれでもかんたん・セキュアにアンケート作成がおこなえるツールです。意識調査などの公開形式はもちろん、会員向け限定公開アンケートや分岐式など複雑な設問設計もかんたん。デザインのカスタマイズもマルチデバイス対応も可能です。安心の定額制・使い放題だから、ユーザー調査やイベント参加者アンケートなど様々な用途に活用できます。

料金

アカウント発行費用:100,000円
※アプリケーションの構築費用は別途見積
月額費用:25,000円
データベースのレコード数に応じた定額従量課金制

Webサイト

https://www.pi-pe.co.jp/solution/enquete_system/

リサーチブティック

ネットリサーチ・アンケート調査のリサーチブティック

特徴

ネットリサーチ、ネットでのアンケート収集の情報が検索できるポータルサイト。
ネットリサーチ会社の比較や、ネットリサーチを行う際の便利な情報を掲載。
アンケート調査とネットリサーチの会社比較!無料・有料の8個のサービス+87社を目的別に費用と機能で比較

料金

複数のネットリサーチ会社の比較

Webサイト

https://research-boutique.com/