動画マーケティング

最近様々な業界で活用されている動画マーケティング。
今回は特に動画マーケティングがどの様な業界で活用されているかを、成功事例とともに解説していきます。

動画マーケティングとは?

まず、動画とは写真やテキストに比べて情報量が多いため伝わりやすく、コンセプトや理念などの抽象的な部分もストーリーを活用して魅力的に発信する事が出来、その動画を介して企業と顧客がコミュニケーションを図ることから、とても訴求力があると言われています。

動画マーケティングとは、特にその訴求力の高い動画コンテンツを用いて顧客にリーチすることで、商品・サービスの魅力を効果的かつ正確に伝え、認知度向上やロイヤルティ向上、ひいては商品やサービス、企業全体のブランディングにも効果的です。

詳細は関連記事を参照してください。

関連記事:動画マーケティングサービスにおすすめの7社を比較!成功するコツや料金まで教えます!

動画マーケティングを利用している業種

昨今、動画マーケティングはYouTubeやインスタグラムなどのSNSの流行から、様々な業界、業種で活用されています。
今回はその中でも特に活用されている業界を具体的に3つ紹介します。

IT業界

まずIT業界はツールがPCやインターネットを用いているため、ターゲットとなる顧客もSNSやネット広告が身近にある環境です。
そのためネットを介して発信しやすい動画マーケティングが多くの会社、サービスで活用されています。

またターゲットにリーチする有効な手段というだけでなく、IT業界の商品・サービスは情報量が多いものが多く、テキストや写真などでは短時間で伝えきれないモノが多いです。

例えばITコンテンツは多くが物として手元に来るのではなく、PC上、ネット上で機能する商品・サービスが多いです。
これらの魅力をもっとも効果的に伝える一つの手法が、その商品やサービスを購入するとどれだけ便利な環境になるかを伝える事です。
「今まで出来なかったことができる環境」「手間取っていたことがワンタッチでできる環境」など、その商品・サービスを購入することでより良い環境になれると伝えることで、購買意欲を刺激することができます。

以上のような情報量が多い魅力を、動画コンテンツであれば短時間で効果的に伝えることができるため、発信する側にも大きな利点があります。

IT業界ではターゲットに適したマーケティング手法でもあり、かつ発信者側にもマッチしているため、動画マーケティングが活用されているのです。

飲食業界

次に飲食業界です。
昨今の飲食業界は、顧客が事前にお店を検索して選んでから予約・来店することから、インターネットでの広告、マーケティングが主流になっています。
特にインスタグラムやYouTubeなどのSNSでマーケティングすることも多く、相性の良い動画コンテンツが活用されています。

特に動画では視覚・聴覚の両方にアプローチできるため、各飲食店のコンセプトやこだわりを魅力的に伝えることが出来ます。
例えば、店内映像を活用することでお店の内装や雰囲気をよりリアルに伝えることが出来ます。
また調理風景を活用すれば、肉が焼ける音やグツグツと煮込む音など聴覚にも刺激を与えることでより臨場感を出すこともでき、こだわりの食材や手間暇かけた調理法を伝えることも出来ます。
さらには完成したこだわりの料理から上がる湯気や料理の色鮮やかさ、ツヤやシズル感なども伝えることができ、ターゲットの食欲などをそそり、より効果的に来店意欲を促すことが出来ます。

以上のように動画コンテンツであれば、各飲食店の様々な魅力をしっかり発信でき、差別化やブランディングにも効果的なため、飲食業界でも動画マーケティングが利用されています。

自動車業界

さらに自動車業界です。
自動車は購入する中で非常に高価なもののため、軽い気持ちでは購買されず、他業界の商品よりも購入のハードルが高いです。
そのため購入前にどのメーカーがいいか、メーカーの中でどの車種がいいか、など購入者も事前に下調べを入念にします。
そこで効果的なのが動画コンテンツです。

先述しましたが、動画コンテンツは短時間で最も多くの情報量を伝える事ができます。
例えば、車体の外装や大きさと細部のこだわり、内装の座席の材質から雰囲気、機能性などまで視覚的に表現することができます。
また車種ごとのメーカーコンセプトや理想的な使い方なども伝える事が出来るため、より購入後をイメージさせる事もでき、ユーザーが購入後に出来る限りギャップを感じない様、正確に情報を伝える事ができます。

魅力や情報を余すところなく発信できるため、自動車業界でも動画マーケティングが活用されています。

その他

以上解説した業界だけでなく、

  • 美容業界
  • ファッション業界
  • インテリア業界
  • 転職や語学など自己成長系サービス業界
  • クレジットカード業界
  • 保険業界
  • 不動産業界

など様々な業界・商品で動画マーケティングは活用されています。
現在では活用していない業種の方が少ないほどです。

動画マーケティングにかかる費用

ここからは具体的に動画マーケティングにはどれほどの費用がかかるのか、解説します。

YouTubeを利用する

まず手軽に活用できるのがYouTube広告です。
YouTubeの動画広告は「視聴時のアクション」により料金が変動します。
具体的に解説します。

YouTube動画広告では以下の2つのパターンで費用が発生します。

  1. 視聴者が動画広告をスキップせず、再生されてから30秒が経過した場合
    (30 秒未満の広告の場合は最後まで)
  2. 視聴者が動画広告の別ページへの広告リンクなどをタップ・クリック等した場合

以上の場合以外は費用がかかりません。
そのため他の動画広告サービスよりも料金設定がリーズナブルで手軽なため、初めての動画広告にYouTubeが活用されやすくなっています。

動画制作・編集ソフトを利用する

次に動画制作に必要なソフトなどを利用する場合、有料版を利用すれば費用がかかります。
ただし現在は無料ソフトも充実しており、初めての利用は無料版から作成してみてもいいかもしれません。
無料の動画編集ソフトは有名どころでは「Filmora 9」や「AviUtl」、Windowsを提供しているMicrosoft社の「Windows ムービー メーカー」、MacBookAirやMacBookProに標準でインストールされている「i Movie」などがあります。
しかし機能が制限されている、操作性が難しい、DVDを作成できないなどデメリット面もあるので、本格的に使用し始めると制限を感じるかもしれません。

有料の動画編集ソフトではadobe社の「PREMIERE PRO」やMac OS X向けの編集ソフトの「Final Cut Pro X」など数多くあります。
費用は買い切り型であればピンキリですが5,000~20,000円程度のものが多く、adobe社のように月額制のものもあります。(adobeの「PREMIERE PRO」は単体で2,480円)

カメラや機材を購入する

また動画編集ソフトがあっても素材がなければ動画は作成できません。
そのためカメラなどの機材が必要です。
最近ではスマホでの撮影もiPhone 11などではそこらのカメラと変わらないクオリティで撮影することができます。
またカメラだけでなくジンバル(カメラの手振れなどをなくす機材)や三脚(カメラを固定する機材)なども場合によっては必要になるので、費用はカメラ本体以外にもかかると考えておきましょう。

動画制作会社を利用する

また機材など一式を揃えて自分で動画コンテンツを作成する事が難しい場合は動画制作会社に依頼することもできます。
こちらの費用相場は動画の長さや用途などで変わってきますが、会社紹介・PR映像制作であれば25万円~100万円程度、webムービでも20万~80万円と言われています。

機材費が高いという理由だけで制作依頼を考えているのであればまず間違いなく高くつきます。
動画コンテンツのクオリティや節約できる時間などを鑑みて選ぶ様にしましょう。

動画マーケティングの成功事例

日産


先述した自動車業界を代表する動画マーケティングの成功事例です。

場所

日産の動画マーケティングの初期は、ターゲットを車への興味が低い若者や女性に設定したものでした。
具体的には、女性7人が毎日車に乗ったら誰が購入するのかを視聴者が予想し、見事当てた人の中から抽選で車をプレゼントするという企画動画「30日間“DAYZ”に乗ったら、買いますか?」や、男性は車があれば女性にモテるのか?というチャッチーな実験を動画にした「クルマがあればモテるのか?」などがありました。
これらをYouTubeやSNSなどで発信し、今まではあまり顧客にならなかったユーザーにアプローチすることに成功しました。

また現在では上記の様に、親子に焦点を当てて運転の安全性の必要性などに訴える動画などを配信しており、ただの商品のPR動画ではなく社会問題に訴えかける様な動画を発信して、さらなる日産のファン獲得に活用されています。

結果

今まで興味関心が薄かった世代へのアプローチがうまくいった結果として、Facebookのフォロー数が当時8万人から963万人(2014年)へと大幅に増加されました。
ちなみに2020年現在は2167万人、同業界のトヨタは48万人、ホンダは509万人で、いまだにSNS上で数多くのファンを獲得しています。

野村不動産アーバンネット


野村不動産アーバンネットの動画コンテンツは、扱う商品は家ですが、そこに住む家族にスポットを当てたストーリー仕立ての動画です。

場所

主にYouTube広告で配信されており、数多くのシリーズ物としていまだに公式サイトで配信されています。

結果

YouTube広告は配信されてもスキップ機能があるため、ユーザーのほとんどが広告を飛ばしてしまうのに対し、150万に近い再生数を獲得しました。
2020年現在も登録者数1620人に対して、このシリーズはいまだに何十万回再生されています。

ライザップ

場所

YouTubeやTVCMなどで「結果にコミット」というキャッチフレーズとともに一斉を風靡した動画マーケティングはいまだに記憶に新しいのではないでしょうか?
それまでもトレーニングジムやフィットネスクラブは数多くありましたが、ライザップはまさに動画マーケティングで認知度とブランディングを確立した代表的な企業・サービスです。

上記の動画の様にトレーニングの前後を見せることでインパクトを与えるだけでなく、結果の信頼性までも印象的に伝える事が出来る動画コンテンツになっており、たった15秒でサービスの魅力を惜しみなく表現しています。

結果

動画による直接的な効果は数字では出せませんが、2019年当時は7期連続増収を記録しており、売上高1,724億400万円で前年比73.9%増になっています。