動画マーケティングの制作方法・ノウハウ

動画マーケティングとは?

動画マーケティングとは、動画を用いて商品やサービスのマーケティングを行うことです。
スマートフォンの普及やデジタルサイネージによる電子公告により生活の中で動画を目にする機会が増えたため、近年では業界にこだわらずさまざまな企業が導入しています。

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動画マーケティングの種類

商品・サービス紹介

WEBや店頭モニターなどで商品やサービスの概要を紹介する際に動画を用いることで魅力を引き出し、消費者の購買意欲や興味を刺激します。文字やイラストだけでは伝わりにくい動作や特徴もわかりやすく伝えることができます。また、動画を通して視聴者が疑似体験できるので、使用感や期待の誤差が生まれにくくなり高い満足度を得ることにつながります。

プロモーション

プロモーション動画の最大の目的は、視聴者の購買意欲を呼び起こすことです。多くの情報を短時間で発信できるので、視聴者にインパクトを与え記憶に残すことができます。動画の冒頭で視聴者の心を掴むことや、ストーリー性のあるシナリオを準備することなどがポイントになります。

ブランディング

ブランディングとは企業イメージを映像化したものです。企業の世界観やビジョンを表現豊かに演出し、ブランドの価値を最大限に高めます。商品やサービスの説明を直接行うことはしませんが、視聴者に印象づけることができれば結果的に企業にとってプラスに働きます。ブランディングに成功すれば競合会社と差をつけることができますが、一度失敗してしまうとイメージを塗り替えることは困難です。企画、撮影、編集に至るまで気を抜かず、しっかりとしたビジョンのもとで制作することが必要です。

会社紹介

IRや広報活動、セミナーなどで用いられるのが会社紹介の動画です。本社とは離れた場所にある施設や工場など機密性の高い場所も紹介することで、表現の難しい自社の強みなどを知ってもらうことができます。企業が移転した際のオフィス紹介の際にもよく使われます。動画を通して社内を見てもらい、企業に対して透明性を感じてもらうことで信頼感の獲得に結びつきます。

その他

採用に特化した中途・新卒採用動画では、求職者や新入社員に向けて企業のアピールや業務内容について伝えます。映像化することで、求職者に明確なビジョンを持ってもらうことができます。教育研修動画は新入社員に対してビジネスマナーなどを理解してもらう際に使われます。ほかにも、観光地が観光客を誘致するためにつくられる観光プロモーション動画など、あらゆる分野でわかりやすく魅力的に伝える手段として動画が使われています。

自作で動画を作成するメリット

臨機応変に対応できる

動画制作を依頼した場合はスケジュールを細かく決めなければいけません。撮影準備や編集など、ひとつひとつに納期や期限があるので非常にタイトなスケジュールとなります。自作で動画を作成する場合は、ある程度余裕を持って状況を鑑みながら進行することができます。

費用を抑えることができる

動画制作でブランディングやプロモーションなどを依頼する場合は300万円を超える案件もあります。場合によっては交通費や宿泊費なども発生するため、多額の資金が必要です。自作で動画を撮影する場合は、機材費用も含めて予算15万円ほどから作成することが可能です。

時間の制限がなく誰でも参加することが可能

余裕をもったスケジュールを組めるので、参加者の意見を聞きながら予定を合わせることができます。融通がきくので希望者がいれば誰でも気軽に参加することができます。

自作で動画を制作する前にすること

目的やターゲットの設定

動画を作る目的を明確にし、性別や年齢などのターゲット層を定めることはマーケティングをする上で大切な基本です。ターゲット層を把握することで、より効果的なアピールを探り戦略を練ることができます。基本となる土台をしっかりと決めておくと、制作中もブレずに目的へ向かうことができます。

動画制作の背景

動画を屋外で撮影するのか、社内で撮影するのか、スタジオを借りるのかなど、撮影する場所について考えます。屋外であればロケ地の選定、社内やスタジオの場合は背景となる場所や色について決めましょう。色によって清潔感や印象などが大きく異なりますので、視聴者に与えたいイメージを考えながら基調となるカラーを定めましょう。また、社内で撮影する場合は、社内の機密情報が映像に入り込まないかなどのチェックもしておきます。

撮影方法の決定

カメラを固定して撮影するのか、360度の全方角から撮影するのかなど、具体的な撮影方法について考えます。撮影時間やズームの距離なども確認しておきましょう。撮影する対象により撮影するコツも違いますので、事前に調べておくと役立ちます。

動画の掲載場所の決定

動画の掲載場所にはWEB上や店頭モニター、デジタルサイネージなどがあります。WEB上にアップロードする場合は自社サイトのほかにもFacebookやYouTubeなどのSNSがありますが、最初に決めたターゲットが接触しやすい媒体を選ぶことが必要です。

自作で動画を制作する手段

YouTube

YouTubeでは無料で動画をアップロードすることができ、YouTube内でカットや複数の動画をつなげるなどの編集ができます。簡単な編集であればYouTube内ですることができますが、細かい作業はできないのであくまでも補助的な役割として捉えることが望ましいでしょう。YouTubeに動画をアップするために特化した編集ソフトもありますので、YouTubeでの公開を重要視する場合はそちらを利用すると便利です。フリーソフトでは「iMovie」が初心者でも扱いやすく、基本的な編集がカバーできるのでおすすめです。「AviUtl」が多機能で優れていますが、初心者では扱いが難しい一面もあります。有料ソフトでは「PowerDirector」「Filmora」などがよく使われており、YouTubeに必要な機能が備わっているためアップロードまでスムーズに行うことができます。

動画制作・編集ソフト

動画を編集するソフトは、動画を制作する上で必須です。カメラに付属しているソフトやフリーソフトで無料で手に入れることもできますが、編集機能に制限があり満足な編集ができない可能性もあります。こちらも初心者の方におすすめしたいフリーソフトとして「iMovie」が挙げられますが、テロップの挿入位置が選べないなどの不自由さがあります。動画のクオリティを高めるためにはソフトの購入がおすすめです。「Premiere Elements」はAdobeの製品でプロの評価も高く、機能も非常に充実しています。「PowerDirector」「Filmora」はYouTubeだけではなく、一般的な動画編集ソフトとしても初心者に選ばれています。いずれも2万円以内で購入が可能です。

機材を利用

撮影に必要な主な機材には、ビデオカメラ、三脚、照明、マイクなどがあります。家庭向けのビデオカメラでもある程度の機能は備えているので、5万円程の予算があると購入できます。ビデオカメラの撮影フォーマットが使用する編集ソフトに対応しているものでなければ使用できませんので、あらかじめ確認しておきましょう。三脚は見やすい動画を撮影するための必須アイテムです。照明やマイクは必要に応じて購入すると動画の質がアップします。音声は編集で音質を調整することも可能ですが、マイクを購入すると格段にクリアな音を拾うことが可能になるのでセリフが多い場合などは検討するのもよいでしょう。

自作で動画を制作する際のポイント

目的を把握する

商品の特徴を伝えるのか、自社のブランドイメージを伝えるのかなど、動画を制作する目的を持ちましょう。目的のない動画は視聴者が疑問を抱くことになりかねません。

再生時間の長さ

動画は最後まで視聴者に見てもらうことが理想です。現代は短時間で大量のコンテンツを消費する情報社会ですので、時間の長い動画は好まれません。実際の統計では、1分以内の動画は約6割が最後まで視聴しており、2~3分の動画だと約4割が最後まで視聴するという結果が出ています。いかに短い再生時間で伝えたい情報を発信するかが動画マーケティングを成功させるコツといえます。長くても15分以内で完結する動画を目指しましょう。

音の大きさ

視聴者がどのような環境で動画を視聴しても一定の音量で再生できるように、適切な音量設定を行いましょう。多くの人が50%ほどの音量で再生していることが多いので、それを想定した上で編集ソフト、パソコン本体、PCスピーカーなどの動画編集に携わる物の音量設定を50%に設定して作業を行います。スピーカーなどは機種に応じて微調整を行いましょう。すべての音量を50%を目安にすれば、視聴者に不快感を与えることはありません。

親しみのある内容に

視聴者が商品やサービス、企業に共感をすることで購入意欲が生まれます。視聴者が実際にサービスを受けていることを想像できる内容であったり、企業に対してフレンドリーな印象を持つきっかけになると興味を持ちやすくなります。特に今はスマートフォンを使い近い距離で個人が視聴することが多いので、視聴者に親近感を持ってもらい個人の心に入り込めるかが成功の鍵です。

伝えたいことを絞る

短い時間で多くの情報を盛り込んでも、視聴者には内容が伝わりません。伝えたいメッセージは1つに絞ることが大切です。テーマを絞ることで内容がわかりやすくなり、視聴者は集中して見ることができます。複数のテーマで作成したい場合はテーマごとに分けて動画を制作します。

会社名やロゴを入れる

テロップなどは入れない場合でも、会社名やロゴは入れておきます。視聴者が企業の名前を色彩や形として目にすることで、記憶に深く結びつけることができるからです。たとえ動画を一時的に忘れていたとしても、町中でロゴを見かけたときに記憶が呼び起こされます。会社名やロゴは動画に統一性や安定感を生み出し、視聴者が動画の内容と企業を紐付けて記憶することに役立ちます。

自作で動画を制作する流れ

構成を確認する

撮影に入る前に、動画の構成を確認します。撮影の流れ、撮り方や撮影する方向などを決めておきます。視聴者が動画に集中しやすく、見やすい構成で撮影することがポイントです。

撮影する

セッティング

小道具の準備やモデルのメイクや、カメラやライトなどの機材セッティングなどを行います。商品撮影の場合は商品の最終チェックも念入りにしておきます。立ち位置などは養生テープで印をつけておくと便利です。カンペが必要な場合はカンペの位置も確認しておきましょう。ちなみに、カンペは縦書きのほうが目が動きが少なくなるので違和感なく撮影することができます。

テスト撮影

本番に入る前にテスト撮影を行います。台本をもとに撮影を行い、人物の立ち位置などはふさわしいかなど、必要に応じて細かい修正を行います。モデルや撮影する人物の緊張をほぐす役割もあり、セリフを話すスピードなども確認できます。構図や音声などが確認できたら本番撮影へと入ります。

本番撮影

テスト撮影を終えたらいよいよ本番です。ズームなどのカメラワークを駆使するのは経験と技術が必要ですから、慣れない場合は固定して撮影をすると失敗がありません。可能であれば編集するときに使用することも考えて、さまざまな角度やカットで別撮りを行っておきます。また、使いたい映像の前後に5秒程度ののりしろ映像を撮影しておきましょう。公開する際には使用しませんが、編集する際に便利です。撮り直す際ものりしろ映像は忘れずに撮っておきます。

撮影した動画を編集する

PCに取り込む

撮影した動画はPCに取り込み、編集作業に入ります。編集作業の主な流れは、使用する映像を取り込む・映像の切り取りやつなげる作業を行う・テロップや会社のロゴを入れるという形になります。使用する編集ソフトに必要な部分のみ取り込むと、時間の短縮になり効率よく進めることができます。撮影の段階で、ある程度使用する映像を考えておくことがポイントです。

音声の確認・編集

音声は視聴者が違和感を感じないように50%の音量で設定するようにします。BGMを使用すると映像のクオリティが上がりますので、ロイヤリティフリーのものなどを利用するとよいでしょう。

切り取り・並べ替え・レイヤー処理

動画を切り取ったり並べ替えてつなぎ合わせます。レイヤーを上手に使用することで効率よく編集を行うことができます。映像、音声、テロップなどのオブジェクトを、それぞれレイヤーごとに配置して作業しましょう。

動画を公開する

動画を公開する場合はふさわしい媒体を選びましょう。Facebook、YouTube、InstagramなどのSNSや、自社WEBサイト上など、ターゲットの目に触れやすい媒体を選びます。公開場所には無料動画配信サービス、自社のWebサーバー、有料の動画配信サービスの3つのうちのどれかが選ばれることがほとんどです。無料で公開できるYouTubeでは簡単にアップロードできますが、映像の途中に公告が埋め込まれたり、視聴者が別のページや動画に流れていきやすいという傾向にあります。自社サイトなどで公開する場合、テキストなどに比べて動画の容量は大きいので、表示が重くならないように気を付ける必要があります。有料の動画配信サービスを使用する場合は1万円程度から利用できます。リンクの設定やアクセス解析などのサポートを受けることができる場合もあるので、資金に余裕があれば利用することも考えるといいでしょう。