人材データベースとは

昨今では、団塊の世代が退職することによる人材の流出や、人口減少に伴う若手労働者の確保などに苦慮している会社も少なくないのではないでしょうか。
限られた人材で最大限の効果を発揮するためには、どのような会社の中でどのような人材がいるのかを的確に把握することが求められます。
そういった悩みを解決するための1つの手法としてご紹介するのが人材データベースです。
人材データベースとは、会社内などにおける社員の有効活用を目的にその人ごとの人材データを集約し、分かりやすく見えるようにしたものなどを指しています。
今までの基幹システムでは、人材に関する情報を保管することを目的としていましたが、そういった概念とは異なり、人材そのものを閲覧・共有・分析などを主目的として構築されているシステムです。また、このシステム単独で完結するのではなく、他業務システムとリンクや連携なども簡単に行えるのが大きな特徴となっています。

人材データベースの活用目的

人材データベースを構築することにより、どのようなメリットがあるのでしょうか。今までは、何気なく会社内において各部署へと人材を配置していた可能性もあったかもしれませんが、人材データベースを活用することに、「何気なく」といった概念は払しょくされることとなるでしょう。いわゆる、「適材適所」に人材を配置することにより、より高効率で会社の生産性を上げることも可能となります。人材データベースなどシステムを導入する際には、目的を明確にすることが重要です。
それでは、具体的にどのような項目に着目して人材データベースが構築されるのかをご紹介したいと思います。

タレントマネジメント

人材データと言っても、様々な要素が含まれています。まずは、それらの情報を目に見える形にすることが大事です。
人材データを見えるようにすることにより、客観的に現状会社内における人材や経営に関する課題を検証し、会社を経営する幹部などがより会社の現状を的確に把握することができるのです。
また、優秀な人材を採用したり、人材が会社から離れてしまう離職率を低下させたり、適材適所の人材配置を実施するなどのタレントマネジメントをおこなうことができます。

働き方改革の推進

最近では、政府より働き方改革が打ち出されていることから、まさに会社の現状に満足するのではなく大きな変化を求められている会社も多いのではないでしょうか。まず、働き方改革を実現するためには「超勤を含んだ長い労働時間を見直す」「様々な働き方の検討及び推進」「会社内における生産性の向上」などが必須となります。
ですが、会社が大きくなれば大きくなるほど働いている人材も増えることから、より正確に社員一人一人の労働時間を把握することや、社員の適性を正確に把握した適材適所の人材配置が行われているのかを把握することは困難を極めます。そういった内容を人材データベースと言うシステムを利用することにより、一元的に管理することが可能となります。

人材データベースの活用方法

ここまでの説明により、人材データベースがどのような目的で構築されているのかはご理解頂けたと思います。しかし、これらのデータを目的に沿って蓄積するだけでは何の意味もありません。有用な情報は、有効的に活用してこそ初めて価値が生まれるのです。ここからは、人材データベースをより有効的に活用するために、どのように構築すべきなのかをご紹介したいと思います。

人材データベースの項目

人材データベースを構築するにあたって、押さえておきたい項目があります。これら項目を的確に把握することにより、会社内におけるより適切な人材配置が可能となるでしょう。より適切な人材データベースを構築するために、ここではいくつか代表的な項目をピックアップしてご紹介したいと思います。

基本属性

年齢、性別、所属、役職、等級などが挙げられます。また、家庭環境などを把握することにより、単身赴任や海外勤務が可能なのかどうかを判断する1つの指標とすることも可能となります。
 

実績・履歴

職歴、学歴、所属履歴、成果、表彰履歴などが挙げられます。前職の会社でどのような経験を積みスキルを持っているのか、学歴によりどのような分野の専攻を学んでいたのかなどを把握することが可能となります。

勤怠

出退勤時間、超勤時間、遅刻、早退、欠勤、有給取得率などが挙げられます。これらを把握することにより、業務量の偏りがないのか、各部署に適切な人員数が配置されているのかなど、バランスの取れた人材配置となっているかどうかを判断することができます。また、長時間労働は人材の健康状態にも大きな影響を及ぼしますし、離職にも繋がる傾向が強く表れます。そういった事象を事前に阻止することにも繋がりますし、無駄なところに人材を配置することも避けることができるため、会社での生産性向上にも大きく寄与することでしょう。非常に重要なファクターとなっています。