受付システムとは?
受付では従来その場に人が立って来訪者対応、もしくは内線電話で取次ぎなどをしていました。しかし受付システムを使えばこうした業務をなくすことができますので、受付業務を効率化することができます。
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受付システム導入にかかる費用・相場
初期費用
0円~
初期費用は0円でスタートできるケースが多いので、初めて受付システムを導入する場合も安心です。ただし、受付システムではiPadや専用の受付ロボットを使用するので、それぞれの機器を購入する場合には費用がかかります。例えば受付システム「ウェルボ」であれば、ウェルボ本体と1年契約料金として初期費用139,000円(税別)が発生します。「ACALL (アコール)」では導入前にiPad本体の準備とWi-Fi環境を整える必要があります。機器に関してはレンタルを行っているサービスもあるので確認してみるといいでしょう。
月額費用
0円~50,000円前後
月額費用は管理する従業員の人数や機能により料金が変動します。シンプルな機能であれば無料で使用することもできますが、来訪者管理や英語対応など充実した機能を求める場合は30,000円前後の予算が必要です。また、大企業になればなるほど費用は高くなり、100,000円を超えるケースもあります。月額ではなく年間契約の方式をとっているシステムもあるので、それぞれのサービスで料金体系をチェックしておきましょう。
その他費用
iPadや導入機器を追加する場合には、その都度費用が発生します。おおよそですがiPad1台あたり月額10,000円が追加されることが多いです。複数の場所に受付システムを置きたい場合にも料金が加算される場合もあります。また、操作画面に企業ロゴを表示する、来訪者の名前を呼んで出迎えるなどのユニークな演出を行うオプションも多彩に用意されており、それらを利用する場合には別途オプション料金がかかります。
受付システムを利用している規模別事例
従業員数1~100人
従業員数が多くない場合、社員ひとりひとりの業務時間を確保して生産性を上げなくてはいけません。受付システムを導入することで大幅な時間の削減が可能になり、業務に集中することが可能になります。小規模の美容院やファイナンシャルクラウド事業などさまざまな企業で受付システムが設置されており、スムーズに来訪者を案内することで業務の効率化に成功しています。美容院やエステサロンなどでは利用者に業務連絡が聞こえやすい環境にありますが、受付システムの導入によりそれらが利用者の耳に入ることがなく、心地よい環境で施術を受けてもらうことができるというメリットもあります。
従業員数101~300人
100人以上の企業になると月300人以上の来訪者の対応をしている会社もあり、電話対応も増えてきます。多くの場合では受付に来訪者の管理を任せ担当者に取り次ぐケースが多いですが、受付システムを導入すると社員全員が来訪者の情報を知ることができるようになり、担当者が直接来訪者を出迎えます。このシステムによって社員全員にお客様を出迎えるという意識が生まれます。受付システムの導入以降、社員の意識の変化を実感した企業は少なくありません。また、飛込営業の訪問も受付システムを挟むため、応対の手間がかからないというメリットもあります。
従業員数301~500人
企業の仕組みが複雑化すると内線によって連絡を取り合う場面も増えますが、受付システムの導入によりそれらをスムーズに処理することができる上、込み入った受付環境もすっきりとしたスタイリッシュな見た目を保つことができます。作業効率化が可能になることで社員の残業時間も激減し、結果的に福利厚生の改善に役立ちます。また、電話対応も受付システムに組み入れることで、電話の音や動き回る人々の動作がなくなり社内で集中しやすい環境が整います。
従業員数500人以上
大企業の場合は必然的に採用面接の件数も多くなりますが、面接の取り次ぎでも受付システムが活躍します。取り次ぎの時間の短縮が叶うと同時に、スピード感のあるスマートな印象を持ってもらうことができます。また、ビル内に受付が複数ある場合もフロアを移動する手間がなくなり、ミスのないスムーズな対応ができます。来訪者の数値を部署ごとに把握できるのでフロアの最適な配置状況を考えることもでき、会議室や応接室の数も適切に設けるなどオフィスレイアウトの改善にもつながります。
受付システムを導入した企業の成功事例
ユニファ株式会社
事例
テクノロジーの力で家族を幸せにするため、保育業務を手助けするサービスやアプリを展開している企業です。保育園児のお昼寝を見守るシステムや、保育士のシフト表を簡単に作成できるサービスなどが多くの保育園で活用されています。ユニファ株式会社が受付システムを導入したのは従業員数60名の頃でした。当時、従業員が一気に20名ほど増え、人材が間に合わず受付がスムーズに行えない状況でした。また、広報の担当者が受付や電話対応などの総務に時間を削られていたので、本来の業務に取り組めるような体制を整えたいと考えていました。受付システムの利用にはコストがかかるという理由で上層部からの反対はあったものの、現場の声を優先し導入を決めたことで、受付業務が大幅に削減でき業務の効率化につながりました。
結果
受付システムを導入した結果、80%以上も総務の業務の削減に成功しました。それまで総務に割いていた時間を広報に専念することができ、テレビや新聞などのメディアに取り上げられ、企業が社会に知られるようになりました。採用の応募も増加し、今では200名近い従業員を抱える企業に成長しています。
Webサイト
株式会社アイスタイル
事例
日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosmeを運営しており、国内外でビューティーサービスを展開している企業です。月に600件以上の来客があり、総務5名だけでは十分に対応することができず、来訪者を待たせてしまうことが大きな問題となっていました。受付業務の負荷を減らすことも必要でしたが、何よりもお客様を待たせないということを第一に考えて受付システムの導入に至りました。受付システムの導入により、担当者が直接応対できるようになったため、来訪者を待たせることなくスムーズな応対が実現しました。
結果
担当者が来訪者と会うまでの取り次ぎがカットされたことで、月間10~20時間のコスト削減に成功しています。受付の電話は1日5件、月600件ほどあった電話は30件以内に抑えられました。また、担当者が来訪者を迎えるため、お客様をお出迎えするという意識が芽生え、従業員の質の向上につながったというメリットも得ています。
Webサイト
ALH 株式会社
事例
ITソリューション事業、RPAソリューション事業、6次産業化事業(農業)などを展開し、ひとづくり・ものづくりを探求している企業です。受付の応対と取り次ぎの工数に疑問を感じており、社員間の連絡を忘れてしまい来訪者へ迷惑をかけてしまうという問題が発生していました。面接では年間500人以上の対応もしており、応対に時間がかかることも改善する必要がありました。受付の対応を形に残し、生産性を向上するために受付システムを導入しました。導入後は取り次ぎミスがなくなり、時間を有効に使うことができています。
結果
月間600件以上の受付と取り次ぎ、採用のピーク時には月間1000件以上の来客対応がありましたが、これらの受付業務と内線電話の数が0になりました。時間にして1日で約150分の時間短縮が実現し、社員が業務に集中できる環境が整いました。聞き間違いなどのミスもカバーでき、受付のペーパーレス化も可能にしています。スタイリッシュな受付システムが来訪者に喜ばれることも嬉しい結果となりました。
Webサイト
株式会社りそな銀行
事例
りそなグループは国内大手の銀行で、全国に約600の支店を持っています。豊洲支店では先進的なサービスにより顧客の満足度アップを目指しており、その一環として受付システムを取り入れています。従来では来訪者が受付番号票を発券して順番に案内し、呼び出し後に社員が手続内容をヒアリングしながら端末に入力するという流れをとっていました。入力ミスがあることや、会話が事務的になってしまうということが課題でした。来訪者とのコミュニケーションの活性化を図るため、受付システムを導入し、来訪者が自らタブレット端末で入力したデータをそのまま手続きに使うという方式へ変更しました。これにより情報伝達が正しく行われるようになり、スムーズな手続きが可能となりました。
結果
来訪者が直接情報を入力することで、事務処理時間が3分の1に削減されました。カウンターでは既に入力された状態で接客が始まるので職員のプレッシャーを軽減でき、提案へのモチベーションが上がったという嬉しい声も上がりました。受付システムを導入することでスムーズな対応が実現でき、開店から2カ月程度で1000件以上の新規口座の獲得に成功しています。この新しい取り組みがメディアや他社などから注目を浴びており、店舗の注目度も上がりました。
Webサイト
株式会社トランジットジェネラルオフィス
事例
クリエーション、オペレーション、サポートの3つを軸に、多様な業種でコンテンツに「遊び場」を生み出すための活動を手掛け、新たなカルチャーを発信し続けている企業です。店舗に人気が出たことはいいものの連日2、3時間待ちの混雑が続き、行列を見て去っていく来訪者も多かったため、行列を管理し利用者に満足してもらうことが課題でした。受付システムを導入後、待ち時間や人数が具体的に把握できることで混雑が緩和され、スムーズな案内が可能になり利用者の満足度が高まりました。
結果
当初は受付スタッフとして3名を配置しても足らない状況でしたが、受付システムの導入により1名でも対応が可能となりました。来訪者が多い時間帯でも本来の業務に集中できる余裕が生まれ、スタッフがいきいきと仕事に取り組めることができています。従来は紙台帳を用いて管理を行っていましたが、受付システムにより情報がデジタル化されたので不明瞭な箇所や伝達ミスがなくなりました。来訪者が待ち時間などを具体的な数値で把握できるようになったのでクレームが激減し、スタッフと来訪者に笑顔が増えて心地よい環境を保つことに成功しています。
Webサイト
株式会社Speee
事例
マーケティング事業などを通し、ビジネスオペレーションとテクノロジーを駆使して課題にアプローチを行い、問題の解決と新しい価値の創出に取り組む企業です。本社が4フロアあり、来訪者の取り次ぎを行う際に内線がつながらない、フロアを移動しなければいけないという問題がありました。受付システムを導入し、受付のフロアに人を配置する必要がなくなっため、本来の業務を行う場所で仕事に専念することができるようになりました。内線では来訪者の情報の共有ができませんでしたが、受付システムによって社内全員が把握できるようになり、取り次ぎに困ることもなくなりました。
結果
コーポレート部門の人員を4名から2名に減らすことができ、受付以外の清掃や備品調達などを行う余裕が生まれました。内線を待つこともなく業務に集中できるため、結果的に生産性の向上につながっています。実質的には月に25時間ものコスト削減が可能になりました。取り次ぎの工程がカットされたためスムーズに担当者と会うことができ、時間に無駄のないストレスフリーなやりとりが来訪者にも好評です。