電子契約システムとは?

電子契約システムとは、見積書、契約書の作成などすべて電子ファイル化し、クラウド上で契約締結を行える便利なものです。

従来までは、書面での契約書締結が一般的でした。
しかし近年、経済のIT化やペーパーレス化に伴い、時間と手間のかかる書面契約書が減少しつつあります。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会が2018年に行った調査によると、現在の電子契約システムの利用率・普及率は『43.1%』となっています。

また同調査によれば、電子契約システム導入に前向きな姿勢を示している企業は『20.6%』

すでに電子契約システムを導入している企業と合わせて、実に6割以上の企業が電子契約システムに対してメリットを感じていると言えるでしょう。

そんな便利な電子契約システムですが、忘れてはいけないメリットがもう1つあります。
それは『印紙税がかからない』ということ。

一定の金額以上かつ書面での契約の場合、今までは収入印紙を添付する必要がありました。
収入印紙が添付された書面契約書は課税され、税金を納める必要があるからです。

契約締結の多い企業にとっては、印紙税が莫大なコストになっていることもあります。

しかし電子契約システムを導入した場合、印紙税が一切かかりません。
これは『印紙税法第2条』にも明記されており、法律上でも認められています。

では、どの業種に電子契約システムの利用が多いのでしょうか?
詳しくご説明していきます。

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電子契約システムを利用している業種

現在日本で電子契約システムを利用している会社は、全体の4割強。

中でもシステムの利用が多い業界は『不動産業界』『流通業界』『飲食業界』となっています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産業界

不動産業界はご存知の通り、扱う製品が『物件』です。
契約締結を行う機会が多いうえ、扱う物件によって印紙税が大きく変動します。

例えば、1000万円以上の物件を売却する場合、印紙税は10000円かかります。
また、1億円以上の物件の売却の場合、印紙税はなんと60000円。

頻繁に顧客と契約締結を行う不動産業界は、印紙税で経営が圧迫されている企業も少なくありません。

しかし電子契約システムを導入すれば、なんと印紙税は『0』。
ペーパーレスで保管に対する利便性が高いうえ、会社の経営を圧迫する印紙税を抑えることができるため、不動産業界での電子契約システム利用率は高いのです。

流通業界

流通は業界の性質上、業態が多岐に渡るので契約締結の機会が多いです。
例えば、既存の仕入れ先、新しい仕入れ先との契約締結、小売店との契約締結など。

また、流注業界の多くは下請け会社を雇っているので、書面契約書の一元管理が難しい現状があります。

そして多店舗を持つ小売業の場合、建設工事契約業務、契約管理業務、新規店舗オープン、既存店舗改装など、契約締結の回数が多いのです。

そこで電子契約システムを導入したらどうでしょうか?

印紙税のコストを削減できるうえ、契約書を電子ファイルで一元管理できるため、流通企業の手間と時間がカットできます。

飲食業界

電子契約システムは、飲食業界でも多く利用されています。

飲食店で問題になっているのが、コース料理などの予約をしたのに当日キャンセルをする「ドタキャン問題」。
経済産業省のレポートによると、このドタキャン問題が飲食業界に与える損害額は約2000億円という推計が出ているほどです。

もともと『契約』というのは、口約束でも法的拘束力があるとされていました。
しかし現状、予約のドタキャンで訴訟を起こす企業は少なく、費用対効果も見込めないので泣き寝入りするのが一般的でした。

そこで電子契約システムによる『予約の電子契約化』です。

つまり、ホテルなどの宿泊施設のネット予約で行われている「連絡先とクレジットカード番号を登録し、規定されたキャンセル料に同意をする」という仕組みのことです。
諸外国では当然のシステムですが、日本でも近年普及してきています。

このように、電子契約システムをドタキャン防止策として導入する企業も増えています。

その他業界

電子契約システム導入にかかる費用・相場

「電子契約システムが便利なのは分かった」
「でも導入するのに費用がかかるでしょ?相場はいくらなの?」
という疑問をお持ちの方のために、電子契約システムの

  • 初期費用
  • 月額費用
  • その他諸費用

これら料金体系について、電子契約システムを取り扱っている最大手企業の『クラウドサイン』を例に出して、ご紹介していきますね。

初期費用

『クラウドサイン』は初期費用は一切不要となっております。

月額費用

『クラウドサイン』の月額料金は4つのプランそれぞれ異なります。

  • フリープラン
  • スタンダードプラン
  • スタンダードプラスプラン
  • ビジネスプラン

それぞれのプランの詳細は以下の通りです。

◆フリープラン
月額固定料金:無料
費用/送信件数:無料
ユーザー数:1人
送信件数:5件

◆スタンダードプラン
月額固定料金:10000円
費用/送信件数:200円
ユーザー数:無制限
送信件数:無制限
機能:書類作成・送信、電子署名+タイムスタンプ、テンプレート作成・管理、チーム管理、Web API

◆スタンダードプラスプラン
月額固定料金:20000円
費用/送信件数:200円
ユーザー数:無制限
送信件数:無制限
機能:書類作成・送信、電子署名+タイムスタンプ、テンプレート作成・管理、チーム管理、Web API、紙の書類インポート機能

◆ビシネスプラン
月額固定料金:100000円
費用/送信件数:200円
ユーザー数:無制限
送信件数:無制限
機能:書類作成・送信、電子署名+タイムスタンプ、テンプレート作成・管理、チーム管理、Web API、アカウント登録制限、IPアドレス制限、承認権限設定、高度な管理機能、電話サポート、SSO/SAML認証

クラウドサインでは月額料金の違いで、ユーザー数や送信件数には変動がありません。
代わりにその他機能がアップデートされ、より利便性が高くなります。

料金例として、月額固定料金10,000円のスタンダードプランに申し込んだ場合はどうなるのでしょうか。

送信費用は200円/件、1ヶ月に200件の書類を送信した場合、請求金額は50,000円となります。(内訳:月額固定料金10,000円+書類送信200件×送信費用200円=50,000円)

個人事業主の方であれば、まずはフリープランで使い勝手を試し、その後にスタンダードプランに移るのが良いでしょう。

法人であれば、最低でもスタンダードプランに申し込むのがオススメです。

その他費用

すでにご説明した通り、クラウドサインでは月額固定料金と併せて、契約書送信1件につき200円の送信費用がかかります。

▼テレワークに最適!2020年の電子契約はリーテックスデジタル契約で。

電子契約システムを導入した企業の成功事例

それでは、実際に電子契約システムを導入して成功した企業の事例をご紹介します。

ファミリーマート

みなさんご存知の大手コンビニチェーンの『ファミリーマート』。
このファミリーマートも契約書を電子システム化することで、契約に関わる業務負荷やコストを大幅に削減することに成功しています。

事例

ファミリーマートでは市場での競争力強化に向けて、東京・大阪・名古屋などの三大都市圏や地方大都市などを中心に、年間1000店舗の積極出店を行っています。

そこで、出店店舗の増加に伴って、施工業者や設計事務所との契約が増え、契約業務フローの効率化やコストカット、必要な書類を完備するといったコンプライアンス強化が急務となっていました。

電子契約システム導入前の主な課題としては、契約業務効率の向上とコストカットです。

結果

では、電子契約システムの導入によりどう変わったのでしょうか?

取引先との契約書のやり取りがすべて電子契約へ移行したことにより、工事請負契約書や竣工図書などの作成および取り交わしに費やす時間が、なんと3分の1になりました。

また、印紙税がかからないため、契約に関わるコストもカットされました。
そしてペーパーレス化によるクラウド管理により、全国12地区の契約状況が「見える化」され、コンプライアンスの強化が図れました。

Webサイト

https://www.ryutsuu.biz/it/i022922.html

レオパレス21

不動産賃貸業で有名なレオパレス21も電子契約システムを導入し、顧客満足度向上とコスト削減に成功しています。

事例

レオパレス21は法人向け賃貸契約業務のスピードアップと顧客満足度向上を図るため、電子契約システムを導入しました。もともと社内のペーパーレス化が課題として存在していたため、電子契約システム導入はスムーズでした。

結果

電子契約システムを導入した結果、法人取引先の社内稟議を含めて契約業務にかかる日数を1週間から最大1日にまで短縮することに成功しました。

また、契約業務の進捗状況を「見える化」により、顧客満足度を向上させ、コストカットにつなげることができました。

Webサイト

https://www.nssol.nipponsteel.com/press/2016/20160309_110000.html

日鉄ソリューションズ

鉄鋼メーカー最大手企業の新日鐵住金の子会社である日鉄ソリューションズも電子契約システム導入で契約業務のフローの効率化に成功しています。

事例

日鉄ソリューションズはグループ会社へ請負業務・準委任業務を毎月断続的に発注していました。

しかし発注は紙ベースで行っており、注文書・注文請書などのやり取りの中で大きなミスが課題に。
もちろん見積依頼書、見積書、注文書、注文請書などで、印紙税によるコストも掛かっていました。

そこで電子契約システムを導入し、契約締結業務の効率化を図ることに決めました。

結果

電子契約システムを導入した結果、年間数千万円の請負契約書の印紙税をカットすることに成功しました。
さらに、契約書などを送付するための、印刷費・封入作業費・郵送費もすべて不要になり、年間数百万円のコストカットも実現しました。

また、電子契約サービスと従来の購買システムのUIを組み合わせることで、ユーザのスムーズな電子契約の利用を可能にしました。

Webサイト

https://www.itis.nssol.nipponsteel.com/contracthub/case/nssol/