企業の会計業務として、経理担当が日々行う業務、それはお金の流れを整理して記録することです。
整理して情報を入力する「仕訳入力」について説明します。
仕訳入力で使う伝票と帳簿類
経理担当者は、毎日のお金の出入りを正確に記録し、各種帳簿を作成することが主たる仕事です。1件ごとのお金の動きを記録するために使われるのが、次の基本の3つの伝票です。
- 入力伝票:相手から現金を受け取ったときに使う
- 出金伝票:相手に現金を支払ったときに使う
- 振替伝票:入金、出金以外の取引に使う
振替伝票は、取引先に商品を販売したときなどに使われる伝票です。会社対会社の取引では、その場で現金が支払われるのではなく、請求書によって代金を請求し、取引条件に従って後日支払われる「掛け」を使います。
いくら売上げが上がり、仕入れにいくら支払うのかといった取引の記録は、振替伝票を使って起票します。
会計システムを使った仕訳入力の例
多くの企業では「会計システム」を使って会計処理をしています。より具体的な業務のイメージを持つために、「会計システム」の画面を見ながら業務の流れをご説明します。
仕訳入力
お金の入出金や取引で起票される3種類の伝票から、各種の帳簿に転記するのは手間がかかる作業です。
手作業なら計算ミスや転記の間違いないように、確認作業をしなくてはなりません。
会計システムを使用することにより、一度入力したデータから自動的に各種帳簿を作成することができます
会計システムには、日常業務の日次、毎月行う月次の会計業務に合わせた機能が用意されています。また、入力したデータを使って決算業務に必要な作業まで、一貫して効率的に行えます。
会計システムによっては、振替伝票の入力方法に慣れていない経理担当の人でも日々のお金のやり取りを記録できるように簡易的な入力方法を用意しているシステムもあります。
例えば、交通費や出張費といった経費精算を日報に入力できるシステムもあります。あらかじめ用意された項目を選んで、金額を入力すると、仕訳処理が自動的に行われます。その他、出納帳に入力する、伝票に入力するなど、業務を行う人が作業しやすい方法で仕訳入力できるようになっています。
権限管理で正確性を担保
作業をする人によって、仕訳の仕方がまちまちにならないようにチェックもします。誰が入力し、誰が責任を持って承認するのか、内容の正確性を承認するプロセスを決めておくことが会計処理では重要です。
会計システムでは、データの正確性を保つために「権限管理」が行えるようになっています。
誰でも勝手に入力したり、データを変更したりしないように、入力者、承認者を決めて、あらかじめ登録しておきます。情報を守り、正確さを保つための体制とルールを整えましょう。
まとめ
「仕訳入力」については理解できたでしょうか?
次は「第3回 経費精算の会計処理」について学んで行きましょう。