出荷・納品管理とは

出荷管理とはミスなく出荷が行われるために必要な管理業務です。出荷管理は大きく分けて出荷の準備に関する管理業務と、正しく出荷が行われたか否かの履歴を記録する管理業務があります。出荷作業では人的ミスが発生しやすい部分ですが、もしミスが起こった場合には生産性の低下や顧客からの信用失墜に直結してしまうため、工程ごとに適切な管理をおこなわなければなりません。

出荷・納品管理の業務内容

出荷指示書の作成

顧客の納期が近づいたタイミングで、受注伝票を元に出荷伝票を作成します。出荷する商品の種類や個数を確認しながら、納期が近い順に準備を進めていきます。取引先事や配送エリアごとに分類するケースもあります。出荷担当者は出荷指示書の内容に基づいて出荷作業をおこなうので、記入漏れや不鮮明箇所がないこと、適切に分類されていることなどが重要です。

出荷準備と必要書類の作成

倉庫な配送センターの出荷担当者は出荷指示書に基づいて出荷準備を行います。指定された納期までに間に合うように配送手続きを行います。出荷準備の際の必要書類は、基本的に以下の4点です。

納品書

納品書とは、商品を納入する際に一緒に納入する書類です。商品の詳細、数量、発送日、配送先などを記載します。注文通りに商品が納入されていることを証明するために必要な書類です。

納品書の控え

納品書は商品と一緒に取引先に送付するので、控えを作成します。納品書と全く同じ内容の物を作成し、自社で保管します。

受領書

受領書は、相手方が確かに商品を受取ったことを示すための書類です。商品を納品したら、相手先は受領書に押印し、返送します。発送業者が押印を代行するケースもあります。納品書と受領書の違いは、納品書が商品の詳細を記載したものであるのに対して、受領書は「確かに受け取りました」ということを証明するものであるということです。

領収書

領収書は、納品した商品の代金を受け取った後に、代金を受け取ったことを証明するために発行する書類です。支払金額が5万円以上の場合には、支配金額に応じて収入印紙が必要です。また、発行済の領収書を相手方が紛失した場合や後日支払金額の相殺などが行われた際には領収書を再発行することもあります。再発行の際には、必ず先に郵送した領収証が相手方の手元にないこと、あるいはその場で破棄をしてもらうことを確認したうえで、再送手続きを取ります。

領収書には以下の項目を記載します。

・領収書の宛名
・領収書の発行日
・領収金額
・但し書き
・発行者の情報(会社名、住所など)

出荷納品

出荷納品業務は、実際に出荷指示書の通りに商品を相手方に納品することです。同じ出荷業務でも商品によって担当部署が分かれていたり、保管されている倉庫が分かれていたりするために、関連するスタッフ間での意思疎通が重要なポイントです。出荷作業には大きく分けて以下の3つの種類があります。

検品梱包

商品を化粧箱や段ボールに梱包する作業。食品類の場合には腐っていないかの確認、また商品に欠品や不具合が生じていないかなどの確認をしながら作業を行います。

ピッキング

倉庫から指定された商品をピックアップする作業。フォークリフトを使用することもあります。その場合には、運転免許や資格などが必要とされる場合もあります。

積み込み

ピックアップした商品をトラックに積み込みます。積み込みの際には、商品の破損や損失などが起こらないよう気をつけながら行います。

売上伝票の作成

在庫担当者は、持ち帰った納品書の控えもしくは受領書に基づいて売上伝票を作成します。売上伝票の作成により、書類手続き上も売り上げ処理が完了します。作成した売上伝票は、受領書と一緒に経理担当者に手渡します。売上伝票は、納品書の控えをそのまま代用することもあります。

売上伝票には、以下の項目を記載します。

・売上日
・出荷番号
・得意先の社名
・納入先住所
・担当者名
・商品
・単位
・単価
・数量
・金額
・特記事項など

取引の記帳

在庫担当者から売上伝票と受領書を受取った経理担当者は、売上を「仕訳」として記帳します。仕訳とは、取引の内訳を借方の要素と貸方の要素に分解する作業のことです。勘定の記入漏れやミスを防ぐために、経理上必ずおこなう作業です。商品代金を後日回収する場合(=掛け売り)には、「売掛金」として記帳します。

商品有高帳の記入

商品有高帳は、経理上記録する商品の在庫状況を把握するために記録する帳簿です。商品ごとに、数量や単価、金額などを記載します。商品を売り上げた際(もしくは出荷時)の他に、仕入れ時にも記録します。