簿記1級を勉強している女の子

簿記1級をテキストで学習することが合っている人

自分で調べたり分からない箇所を理解しようとできる人

勉強をしていると、どこかで分からない箇所が出てくるものです。このとき、独力で解決しようと思える人であればテキストでの学習だけでも進めていけるかもしれません。特に簿記1級は難易度も高いため、自力で理解しようと努められる人のほうが独学に向いていると言えるでしょう。

モチベーションを維持できる人

簿記3級や2級に比べて、1級は勉強期間が長く必要です。そのため何カ月、あるいは年単位という期間、モチベーションを維持できなければなりません。学校に通っていれば周囲の雰囲気などもあり無理やりにでも継続できるようになりますが、独学ではこれを維持するのが難しく、維持できるという人のほうが合っているでしょう。

効率よく勉強できる人

テキストだけで勉強をしていると非効率的な学習法になってしまう可能性があります。1ページずつ完璧にしようとしてしまい、なかなか進まないこともあるでしょう。大事なのは論点を絞って勉強することであり、完璧主義にならないよう注意しましょう。特に分厚く網羅性の高いテキストの場合、試験にあまり出題されない範囲も含まれていることがあります。
まずは試験でよく問われる論点から学習し、その後細かな範囲に手を出すといいでしょう。

簿記1級のテキストを使ったオススメの学習方法

一通りテキストを読み込む

上述のように、逐一完全な理解をしながら進めようとすると学習スピードは落ちてしまいます。そこで、まずは一通りテキストを読み込むことから始めてみましょう。そうすることで全体像を掴むことができ、これから学ぶことをざっと理解し、その分量はどれくらいなのか、ということが分かるようになります。また一度読み切ることで、論点同士の関連性を把握することができ、効率的に理解ができるようになります。

模擬試験を解き苦手を把握する

簿記1級の難易度は2級から比べてもかなり高くなるため、模擬試験を受けて苦手分野をできるだけ潰しておかなければなりません。3級程度であれば難易度もそれほど高くなく、模試を受けなくても問題ないかもしれませんが、1級を受けるならすべての論点を押さえておく必要があります。何度か模試を受けて自分の得意分野、苦手分野を把握しましょう。

動画やアプリなどを併用して理解を深める

最近では動画やアプリを使用した学習もできるようになっています。そのため隙間時間の活用がしやすく、時間の捻出が難しい方にはおすすめの勉強方法です。またテキスト等を使った勉強の合間にアプリも併用すれば気分転換にもなるでしょう。

簿記1級をテキストで独学で学ぶメリット

自分のペースで進めることができる

学校等で講座の受講をしていると、自分1人の理解度には関係なく授業が進んでいきます。教室全体のことを考えて進行しなければならないからです。逆に自分が理解できているところについては遅く感じることもあるでしょう。
テキストで学ぶことのメリットは、完全に自分のペースで進められるということにあります。特に効率的な勉強ができる人なら、そのメリットはより大きなものとなるでしょう。

費用を抑えることができる

通信講座や学校への通学等、色んな学習方法がありますが、独学でテキストを使った勉強の場合、費用が格安で済むというメリットがあります。テキストをすべて揃えても1万円から2万円程度で足ります。予備校などであれば少なくとも10万円以上はかかり、長期になればなるほどその差は大きくなってきます。

自分で学習し理解する力が身につく

講師がいないため、問題は必然的に自力で解決することになります。分からない箇所は自分で理解しようという力が養われるでしょう。

簿記1級をテキストで独学で学ぶデメリット(気をつけたいこと)

効率よく勉強することが難しい

簿記に限らず普段から勉強をしている人や、資格試験に向けた勉強に慣れている人であれば自分なりの勉強方法をすでに持っているかもしれません。しかし多くの方は効率的な勉強法を見つけるまでに時間がかかります。スクールなどであれば学校側に蓄積されたノウハウによって、効率的な学習方法に沿って進められます。しかし独学の場合、自分なりの勉強法を見出すのが苦手な方は勉強期間が長くなってしまう傾向にあります。

モチベーションを維持できない

上でも少し触れましたが、テキストを使った独学での勉強だと、モチベーションの維持が難しいというデメリットがあります。モチベーションは勉強効率や勉強時間に影響し、モチベーションが低いままだと結果として勉強期間が長くなってしまいます。

サポートを受けることができない

テキストを使った独学での大きな弱点は、気軽に相談できる相手がいないということです。勉強をしていて分からないポイントがあっても、講師が付いていないため、的確な答えが得られにくいのです。
自力で解決するのが難しい問題にも出くわすかと思います。学校等のサポートを受けられないと1問1問にかかる時間が増えてしまうかもしれません。



アカウンタンツライブラリー

簿記1級テキストを選ぶポイント

読みやすいと思うもの

独学では特に、自分に合ったテキストを選ぶことが大事です。最初のテキスト選びでは複数の本を手に取り、読みやすさを比較しながら検討しましょう。色付きのものかどうか、図や表が多いものかどうか、自分にとって勉強のモチベーションが高まりそうなものを選びましょう。

ポイントや要点が整理されているもの

簿記1級の試験範囲は非常に広いです。そのため要点が整理されているテキストを選ぶといいでしょう。復習する際にもチェックがしやすいです。

解説がわかりやすいもの

講師がいないため、独学の場合には特に解説の分かりやすさは重視すべきでしょう。言い回しが丁寧、見やすい、用語の定義がしっかりしているなど、一人で勉強することを意識したテキスト選びをすべきです。

テキストの効率的な使い方

問題集や過去問との併用

テキストを一度読み切ったあとは問題集に入りましょう。テキストの内容がすべて理解できていなくてもかまいません。問題集とテキストの往復を繰り返した勉強のほうがより理解が深まるからです。学んだことを理解できているかどうか、問題を解く回数を増やして把握していきましょう。

暗記ではなく理解する

解き方を暗記するだけでは1級の合格はできません。本質的に、今問われていることが理解できている必要があり、それが理解できれば出題形式が変えられたとしても対応できるようになるでしょう。

全て解けるよう繰り返し読む

問題集も併用しつつ、最終的には全てが解けるように繰り返しましょう。テキストを一周しただけでは全て解けるようにはなりません。そのため最初は問題が解けなくても落ち込まず、何度も読み込むようにしましょう。

おすすめの簿記1級が学べるテキスト

よくわかる簿記シリーズ合格テキスト 日商簿記1級

よくわかる簿記シリーズ合格テキスト 日商簿記1級

特徴(良いところ)

「合格テキスト」のシリーズは、TACの授業で実際に使われているテキストです。TACは最大手の学校ですので、このテキストを網羅すれば通学している受験生との差をなくすことができるでしょう。安心してテキストに取り組むことができます。

特徴(良くないところ)

TACの授業で使われているため、詳しい説明を講師がする前提で簡略されている箇所もあります。そのため独学者にとってとっつきやすい内容とは言えないかもしれません。
またテキストの分量が多く、すべてを揃えると他のテキストと比べて費用が高くなってしまいます。

料金

問題集込みの12冊セットで、28,820円(本体価格+税)です。
(テキスト6冊、問題集6冊)

Webサイト

https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/61435/

サクッとうかる日商簿記1級シリーズ

サクッとうかる日商簿記1級シリーズ

特徴(良いところ)

「サクッとうかる」シリーズは、図解が多いなど、分かりやすさやとっつきやすさが重視されています。色付きのテキストで、キャラクターが使われているなど、モチベーション低下を心配している方にはおすすめです。

特徴(良くないところ)

多くの人にとっつきやすい内容となっていますが、試験範囲に対するカバー率がそれほど高くないというデメリットがあります。

料金

問題集込みの12冊セットで24,640円(税込)です。
(テキスト6冊、問題集6冊)

Webサイト

https://www.net-school.jp/shopdetail/066001000004/

簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズ

簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズ

特徴(良いところ)

このテキストはイラスト・色が付いており、読み込むことにストレスがありません。図解も多く、試験範囲のカバー率も比較的高いです。「合格テキスト」ほどの網羅性はありませんが、試験に合格することだけを考えれば十分かもしれません。

特徴(良くないところ)

内容はやや難度が高く、用語をそのまま使用しているなど、ある程度は自力で問題解決することが求められるでしょう。

料金

問題集込みの12冊セットで19,800円(本体価格+税)です。
(テキスト6冊、問題集6冊)

Webサイト

https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/61432/#book-datails

テキストの他にあったほうが良いもの

問題集

関連記事:簿記1級のおすすめ問題集を徹底解説!【2020年最新版】

動画

動画で勉強できるサービスも多く展開されています。例えば弥生カレッジCMCなど、動画を無料で視聴できるサービスなどもあり、テキストと併用することで深い理解ができるようになるでしょう。また机に本を広げて勉強するというスタイルにこだわらなくてもいいため、動画で学習するという手段も持っておくと柔軟に学習に取り組むことができるようになるでしょう。

スマホアプリ

スマホアプリでの学習でも、動画で勉強するのと同様、勉強スタイルに縛られないというメリットがあります。アプリだけで合格するのは現状では難しいですが、サポート用の勉強アイテムとしては、利用価値は高いと言えます。利点はいつでも勉強できるということ、隙間時間を活用しやすいことなどが挙げられます。特に通勤や通学中には本を広げられませんし、動画だと通信容量の問題がありますので、アプリを使ってみるといいかもしれません。