ハラスメント

ハラスメントとは?

ハラスメントとは、一言で言えば相手に対して行われる「嫌がらせ」のことです。
ハラスメントには、立場や権力を背景に相手に嫌がらせを行うパワーハラスメントや性的な嫌がらせを行うセクシャルハラスメントなど、特性によって様々な種類があります。
ハラスメントは、行う本人に嫌がらせの意思があるないに関係なく、相手が傷つけられた、苦痛を受けた行為や不利益を受けた行為などは全てハラスメントに該当します。

ハラスメントの種類

上述した様にハラスメントには多くの種類があります。

パワーハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)とは、特に仕事などの場面で多いハラスメントで、立場や権力を背景に相手に嫌がらせを行うことを指します。
具体的には、「職場の上司から仕事を押し付けられる」「先輩から業務とは関係ない使いっ走りをさせられる」などがあります。

セクシュアルハラスメント

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、男女に関係なく性的な嫌がらせを行うことを指します。
セクハラは「男性から女性へ」の嫌がらせではありません。
女性から男性に対しての嫌がらせもセクハラに該当することを知っておきましょう。

モラルハラスメント

モラルハラスメント(モラハラ)とは、モラル(道徳)による精神的な暴力や言葉、態度による嫌がらせを行うことを指します。
パワハラと違い、職場だけでなく家庭内でも問題になるケースがあり、「無視をする」「陰で誹謗中傷する」「過大な業務を与える」などのわかりやすいものから、「仕事に必要な情報を与えない」「逆に仕事を与えない」なども該当します。
道徳面は個人の価値観が介入する部分なので、特に加害者に意識がなく、一方的に被害者が被害を受けていると感じるケースが多いです。

その他のハラスメント

ハラスメントは35種類以上あると言われており、妊娠や出産、子育てをきっかけとする「マタニティハラスメント」や喫煙に関する「スモークハラスメント」、飲酒の強要や飲めない人への配慮をしない「アルコールハラスメント」などがあります。
参考:社会人のためのビジネス情報マガジン 社会人の教科書

なぜハラスメントが起こってしまうのか

上述した様に様々なハラスメントがありますが、なぜハラスメントは起こってしまうのでしょうか?3つの大きな原因を解説します。

個人の価値観の違い

ハラスメントの原因に個人の価値観の違いがあります。
たとえ同じ職場でも、働く一人ひとりが様々な価値観や考えを持って働いています。
そのため、業務上の注意やミスを指摘する言動が場合によってはハラスメントと言われてしまう可能性があります。
そのため職場では過剰に感情的にならず、あくまで相手に配慮した、第三者が聞いても問題のない言動を心がけましょう。

ストレス

またストレスにより、周りの人間への対応がきつくなってしまう事はありませんか?
あくまで人間であれば、一時的にストレスでイライラしてしまうなどは仕方のない事です。
しかしその際の言葉や行動が、受け取り手によってはハラスメントと思われてしまう可能性があります。
そのためストレスを抱えていても他の人に当たってしまわない様にしましょう。

職場環境

職場環境がハラスメントの原因になってしまう事があります。
特に社内でのコミュニケーションです。
最近では業務内でメールやSNSを使う事は一般的ですが、それらツールにまつわるトラブルが増えています。
普段は仲が良い先輩後輩でも、メールは節度を持って行うなど、職場でのコミュニケーションについて誤解がないように注意しておかなければなりません。

他にも例え相手を思いやって叱っている場合でも、相手の受け取り方次第でハラスメントになってしまう事もあります。
しっかりとした信頼関係を築いておく事がハラスメントの防止につながります。
 

ハラスメントを予防する

次にハラスメントが起こってしまわないために、予防する方法を知っておきましょう。
今回は特に重要な3つを解説します。

相手との違いを認識する

先述しましたが、個人の価値観には少なからず違いがあります。
たとえそのつもりがなくても、何気ない一言が相手を傷つけてしまうことも十分あり得ます。
そのため先輩と後輩、上司と部下など立場に上下関係があっても、相手と自分の価値観が違うことを最低限理解して発言、行動を取る事でハラスメントを予防する事が出来ます。

伝え方に配慮する

また伝え方に配慮することがハラスメントを予防する事に繋がります。
特にまだ関係が浅く信頼関係が築けていないうちは、注意が必要です。
例えば極端な話、「タメ口で馴れ馴れしい」「説明が適当で聞いてもちゃんと教えてくれない」などがパワハラになってしまう事があります。

逆に伝え方に配慮し、しっかりと対応する事でハラスメントの予防になるとともに、相手のミスや後から起こる問題の予防にも繋がるので、伝え方には十分配慮しましょう。

コミュニケーションをしっかりとる

また適度にコミュニケーションをとることもハラスメントの予防になります。
先述した「相手との違いを認識する」や「伝え方に配慮する」なども、信頼関係を築けていればそこまで気にする必要はなくなります。
その信頼関係を築く方法が適度なコミュニケーションを取ることです。
ここで重要なのが「適度に」コミュニケーションを取ることです。
例えばコミュニケーションのためにと、プライベートな部分や相手のパーソナルな部分にまで過剰に干渉してはいけません。「パーソナルハラスメント」というのもあるので、そうならない様、適度な頻度、適度な距離感でコミュニケーションを取るようにしましょう。

ここまではハラスメントの予防について、少し抽象的に解説しました。
ここからはより具体的に、企業レベルで取り組むハラスメント対策を紹介します。

ハラスメントに対する対策

現状を把握する

まず職場環境に問題がないか、従業員の意識上問題があるかなど、現状を把握する必要があります。
アンケートなどで意識調査を行うといいでしょう。
なお正確性を保つために、プライバシーの保護、匿名性を確保しましょう。
もし必要であれば労働組合と連携してもいいかもしれません。

普段からアサーティブ・コミュニケーションを心がける

次に普段からアサーティブ・コミュニケーションを心がけることを徹底させましょう。
アサーティブ(assertive)とは、「自己主張すること」です。
ただし、自分の主張を一方的に述べることではなく、「相手を尊重しつつ、最低限は自己表現を行うこと」を指しています。
したがって、アサーティブ・コミュニケーションとは、お互いを尊重しながらしっかりと双方の意見を交わすことです。
アサーティブ・コミュニケーションを通して、嫌なことを嫌と言える関係を築く事が目的です。

ハラスメントに関する知識を得る

事業主は職場におけるハラスメントを防止するために措置を講じる必要があります。
その一つとして、ハラスメントについて正しい知識を従業員一人一人にしっかり周知させ、指導することがハラスメントの予防になります。
社会的にどれほど問題視されているか、どの様な行為がハラスメントになっているか、問題になるとどの様な処罰を受けるのか、などを管理監督者をはじめとする従業員全体に、研修などを用いてしっかり指導しましょう。

厚生労働省がマニュアルなどを作成しているので参考にしてみましょう。
参考:厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために

ハラスメントに対するルールを設ける

ハラスメントの認識・知識を社内にしっかりと周知させたら、明確にルールを設ける必要があります。
例えば「就業規則本文中に、パワーハラスメントの禁止規定を定め、懲戒規定と連動させる」「就業規則に委任規定を設けた上で、詳細を別規程に定める」「労使協約等の労使協定を設ける」などです。
厚生労働省が運営するハラスメント対策情報メディア「あかるい職場応援団」により詳しく載っているので参考にしてみてください。
参考:ルールを決める あかるい職場応援団 厚生労働省

ハラスメント対策窓口を設ける

またルールだけでなく、ハラスメント対策の窓口を設けましょう。
特に相談しやすい窓口にする必要があります。
電話やメールでも相談できる、対応スタッフが男女ともに複数いるなど、少しでも利用のハードルを下げた窓口を心がけましょう。
また、設置した窓口が機能しないことも多いので、実際に相談が入り社内対応が必要になった時のために、マニュアル作成などの社内体制作りをしっかり行っておきましょう。

社内で窓口を設ける事が難しければ、外部の相談窓口を利用することも出来ます。 
 

おすすめのハラスメント対策サービス

ハラスメント対策のクオレ・シー・キューブ

ハラスメント対策のクオレ・シー・キューブ

特徴

調査や社外相談窓口の設置から、ハラスメント・コンサルティングというハラスメント全体へのコンサルサービス、パワーハラスメント対策やマタハラ・ケアハラ対策などの個別に問題化しているハラスメントへの対策サービスなど、そのサービス内容は多岐にわたります。

料金

価格は開示されていません。
ただし無料での資料請求や電話の問い合わせを行っているので、まずは問い合わせしてみましょう。

Webサイト

https://www.cuorec3.co.jp/

ヒューマン・フロンティア

ヒューマン・フロンティア

特徴

セクハラ、パワハラなど各種ハラスメントを防止する研修2種類(「ハラスメント予防・理解」と「ハラスメント防止・対応」)とハラスメント専用の相談窓口の設置(社外窓口の設置)のサービスを行っています。
組織のハラスメント対策をサポートしてくれるサービスです。

料金

要望別にサービスが分かれており、「ハラスメント予防・理解研修」「ハラスメント防止・対応研修」「ハラスメント相談(通報)窓口」の3つのサービスがあります。
ただし価格は開示されていません。
資料請求や電話の問い合わせを行っているので、まずは問い合わせしてみましょう。

Webサイト

https://www.humanfrontier.co.jp/service/harassment.html

NEC VALWAY

NEC VALWAY

特徴

大手企業の日本電気(NEC)株式会社の関連会社であるNEC VALWAYのハラスメント対策サービスです。
外部相談窓口の設置及び運営、コンプライアンス違反の早期発見、パワーハラスメント対策研修サービスなどがあります。
広い対応言語を誇り、オプションを入れると13か国語まで拡大可能です。

料金

ハラスメント対策の研修価格は180,000円(税別)+交通費です。
その他のサービス費用は開示されていません。
資料請求や電話の問い合わせを行っているので、まずは問い合わせしてみましょう。

Webサイト

https://nec-vw.com/koueki-tsuhou/pawahara/