書類の電子化とは?
本来紙で保存する書類をスキャンしてPDFなどにすることを書類の電子化と言います。
書類を電子化することで、紙保存によるスペースの圧迫や管理のしにくさを改善できます。
従来までは、書面での契約書締結が一般的でした。
しかし近年、経済のIT化やペーパーレス化に伴い、時間と手間のかかる書面契約書が減少しつつあります。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会が2018年に行った調査によると、現在の電子契約システムの利用率・普及率は『43.1%』となっています。
また同調査によれば、電子契約システム導入に前向きな姿勢を示している企業は『20.6%』
すでに電子契約システムを導入している企業と合わせて、実に6割以上の企業が電子契約システムに対してメリットを感じていると言えるでしょう。
そんな便利な書類電子化ですが、忘れてはいけないメリットがもう1つあります。
それは『印紙税がかからない』ということ。
一定の金額以上かつ書面での契約の場合、今までは収入印紙を添付する必要がありました。
収入印紙が添付された書面契約書は課税され、税金を納める必要があるからです。
しかし、契約締結の多い企業にとっては、印紙税が莫大なコストになっていることもあります。
しかし電子契約システムを導入し、書類を電子化して契約した場合、印紙税が一切かかりません。
これは『印紙税法第2条』にも明記されており、法律上でも認められています。
電子文書と電子化文書の違い
よく聞く電子文書と電子化文書ですが、この2つは明確な違いがあります。
それぞれ詳しくご説明していきます。
電子文書
電子文書はワードやエクセル、パワーポイントなどのソフトウェアで作成されたものを指します。
そのほか、CADや会計ソフトなどで作成した書類は電子書類にあたります。
電子化文書
電子化書類は、紙の文書として作成されたものを、スキャナーなどでスキャンし電子化した書類のことを指します。一般的には「スキャナー保存」と言われています。
書類を電子化するメリット
では、書類を電子化することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
ペーパーレス化でコスト削減
1つ目のメリットは『ペーパーレス化でコストが削減できる』です。
紙媒体での保存は印刷コストがかかります。
印刷コストとは、プリンター代、インク代、用紙代、書類をしまうキャビネット代など、大企業で毎日莫大な量の契約書や締結書を発行する場合は、それだけでかなりのコストがかかってしまいます。
しかし書類スキャンによるペーパーレス化を行えば、印刷コストを削減できます。
また、紙を保存するスペースが不要になり他のものが置けるなど、スペースの節約にもなります。
作業の効率化
書類を電子化する2つ目のメリットは『作業の効率化につながる』ということです。
稟議書など上司の印鑑が必要な書類は、紙媒体だと紛失する恐れもありますし、上司から上司へと印鑑をもらいに移動する時間もかかります。
電子化すれば、パソコン内で検索してすぐに必要な書類を探し出すことができますし、いちいち上司のところへ移動しなくても、メールに添付すればスムーズに書類を送ることができます。
そのためワークフローや作業の効率化につながります。
管理が容易になる
書類を電子化する3つ目のメリットは『管理が容易になる』ことです。
電子化された書類はスペースも取りませんし、紛失・劣化することもありません。
そのため管理が容易になり、今まで紙の書類の管理に割いてきた時間を他のコア業務に充てることができます。
書類を電子化する際のルールや注意点
ここでは、書類を電子化する際のルールや注意点についてご説明していきます。
法律に則って保存する
書類を電子化する場合、遵守しなければいけない法律があります。
日本における書類電子化に関する法律を見ていきましょう。
e-文書法
e-文書法は、本来書面での保存が義務付けられていた文書に対して、書類スキャンによる電子保存を認めた法律です。
e-文書法は、法人税法、商法、証券取引法、会社法など、本来紙で保存しなければならないと決められている全ての書類が対象になります。
またこの法律では、電子データは以下の要項を満たして保存する必要があるとされています。
- 見読性:電子化されたデータが、パソコンやタブレット、スマホなどの画面できちんと読めること
- 完全性:電子データがミスや故意で消失したり改ざんされたりすることを防ぐために、消去や変更の事実を確認できること
- 機密性:アクセスできる人を特定し、許可されていない人からのアクセスを制限すること
- 検索性:必要なデータをすぐ検索して引き出せること
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法などの特例に関する法律」のことです。
国税関連の書類を電子化して保存することに関する法律です。
この法律が適応される書類は、契約書、請求書、領収書、注文書、見積書などの国税関係の帳簿書類になります。e-文書法と同じく以下の要項を満たして保存しなければなりません。
- 真実性の確保:解像度200dpi以上、RGB256階調以上の解像度でカラー保存すること、担当者の電子署名があることなど
- 可視性の確保:書類がカラーで確認できること、取引年月日、勘定科目など所要項目で検索できることなど
引用:国税庁
電子化しても捨ててはいけない書類もある
電子化したから紙の書類はすべてゴミ箱に、、ちょっと待ってください。
電子化しても捨ててはいけない種類の書類があります。
それは『定期借地・定期建物賃貸借契約』などの書類です。
他にも宅地建物売買等媒介契約、マンション管理業務委託契約といった不動産関係の書類は現状電子化ができず、書面で保存しておくことが義務付けられています。
データの保管方法
電子化してデータを保存したい場合、保存方法に気をつけなければいけません。
具体的には以下の要項に注意する必要があります。
- 書類のサイズ
- 解像度
- ファイル形式
- ファイル名の統一
誰が見ても一目で分かる保存を意識しましょう。
書類の電子化サービスを比較する際のポイント
それでは、書類の電子化サービスを外注する場合、業者を選ぶポイントをご紹介していきます。
セキュリティ
1つ目のポイントは『セキュリティ』です。
セキュリティがしっかりしているか見分けるためにも、まず『Pマーク』の有無を確認しましょう。
Pマークは「個人情報保護の体制や運用が適切である」と認められた企業のみに提供されます。
また、情報の機密性や安全性が確保されていることを示すISO27001を取得済か確認しましょう。
e-文書法に対応しているか
2つ目のポイントは『e-文書法などの法律に対応しているか』です。
文書の電子保存の方法を理解していることを示す『文書情報管理士』という資格を持っているかどうかは大きな判断基準になります。
この資格を持つ社員が多くいる企業はe-文書法や電子帳簿保存法などの法律を深く理解しているので、高い技術力があり、品質も保証されます。
サービスの範囲
3つ目のポイントは『カバーしているサービスの範囲』です。
「サイズ」「カラーかモノクロか」「枚数」「スキャン画像の解像度」「ファイル名付与」などカバーしているサービス内容や料金は各社によって違います。
そのため、自社でどこまで対応可能で、どこから外注したいのかをまず決めてから依頼するようにしましょう。
おすすめの書類の電子化サービスを比較
ここでは、おすすめの書類電子化サービス業者をご紹介していきます。
ジェイ・アイ・エム
高度なセキュリティや安心サポートならここ!『ジェイ・アイ・エム』
特徴
『ジェイ・アイ・エム』は以下のような特徴があります。
- 電子化に関するすべての工程を任せられる!
- Pマーク取得済で安心取引!
料金
A4用紙1枚5円~
Webサイト
うるる
特徴
『うるる』は以下のような特徴があります。
- 1,800以上の企業と取引のある圧倒的実績!
- 機密書類の出張スキャニング!
料金
A4用紙1枚5.8円~
(※受注は30,000円~)
Webサイト
https://www.uluru.biz/service/service_scaning
オンリースタイル
特徴
『オンリースタイル』は以下のような特徴があります。
- 段ボールに詰めるだけ!電子化お任せパック!
- 機密書類も警備車両回収で安全に!
料金
A4用紙1枚5円~(※最低受注額は50,000~)
段ボールに詰めて送付するだけでスキャニングを行ってくれる、「電子化おまかせパック」は、1箱3万円~
Webサイト
https://www.onlystyle.jp/index.html
プロセス・マネジメント
個人情報保護士資格を保有する社員多数!『プロセス・マネジメント』
特徴
『プロセス・マネジメント』は以下のような特徴があります。
- 資格保有の社員多数在籍でセキュリティが安心!
- データ化したファイルを直接届けてくれる!
料金
A4用紙1枚5円~
(※最低受注はバインダ8冊、もしくは段ボール1箱分から)
Webサイト
大塚商会
特徴
『大塚商会』は以下のような特徴があります。
- オンラインでのデータ管理が可能!
- スキャナー機器をレンタルできる!
料金
A4用紙1枚5円~
(※最低受注額は要問合せ)
Webサイト
https://www.otsuka-shokai.co.jp/solution/keyword/document-management/