会社の現金、預金の管理をしっかりするために、現預金出納帳をつけることが必要ですが、そのメリットとポイントは何でしょうか。
中小企業庁作成の「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」に、それがまとめられていたのでご紹介します。

以下、中小企業庁「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」より抜粋
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/2016/160510kaikei.htm

現預金出納帳をつけるメリット

1 お金の動きがわかる

会計のレベル1の基本は、日々の活動を数値で正確につかむことと、資金ショートを起こさないことです。
そのためには、現金、預金の管理体制をしっかりつくることが大事です。現預金出納帳をつけることで毎日のお金の動きを把握することができます。

2 最低必要な資金がわかる(日、週、月)

毎日、現預金出納帳をつけることで、日、週、月ごとに必要なお金がわかるようになります。小さな会社では資金をショートさせない管理が重要です。その基本は、いつ頃、いくらのお金が必要なのかを3ヶ月、半年先まで見通しておくことです。

3 必要な売上高がわかる

最低必要な資金がわかれば、資金ショートさせないための売上高がわかります。3ヶ月先にいくら必要なのかがわかっていれば、3ヶ月前から手をうつことができます。先を見通す仕組みをつくることで、余裕を持って対応することができます。

実施する際のポイント

1 自分の財布と金庫の現金を分ける

まずは自分の財布と会社の金庫の現金をしっかり区分けして管理することが大切です。金庫の残高を明確にした上で、現金の出し入れを「現金出納帳」に毎日記帳します。

図表3-1-1 現金出納帳(多桁式)の様式例
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(中小企業庁「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」より)

2 毎日出納帳と金庫の現金及び預金残高を合わせる

毎日、現金の出入りを記帳し、1日の終わりには、金庫やレジにある現金の残高と記帳残高が合っていることを確認します。管理上は日常の支払資金と売上の入金とは区分けして管理することが有効です。また、現金の出し入れには必ず伝票を使用することも重要です。この手間を惜しまないことが現金管理のポイントです。残高不一致の要因となります。

図表3-1-2 金種表の様式例
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(中小企業庁「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」より)

3 日々出金内容を区分けして把握する

預金については、定期的に残高と内容をチェックし、通帳に記入します。現金預金は、残高のみを管理しがちですが、大事なことは明細をきちんとチェックすることです。何の入金か、何の支出か、入金の内訳、支出の内訳がはっきりわかるようにすることです。例えば、売上代金が預金口座へ入金されても明細がわからない場合があります。内訳を明確にすることを習慣化することが重要です。

参考

詳しくは中小企業庁のページをご参考ください。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/2016/160510kaikei.htm