「会計」業務初心者の皆さんは、会計管理をしっかり行うことは会社にとって何の効果があるのか、具体的に考えたことはありますか?
この記事では会計初心者のために、そのメリットをまとめてみました。

会計のメリット

中小企業庁発行の、「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」に、会計のメリットについてまとめられているので参考に見てみましょう。

参考:中小企業庁「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/2016/160510kaikei.htm

(以下、抜粋)

(1) すぐに現れるメリット

会計を活用するメリットは沢山あります。先ずは、すぐに現れるメリットです。

  1. お金の動きが明確になるため、先手を打って具体的な対策に集中することができます。
  2. 正しい「決算書」を作成することで会社の実態を把握することができます。
  3. 将来の目指すべき姿を目に見える形で示すことができます。

これらの結果、現場の社員1人1人に経営者の意識を持たせ、会社に前向きな推進力を生む土台ができます。

(2) 企業が成長するメリット

「会計」は、「会社を導く羅針盤」としての役割を果たします。具体的には、

  1. 経営目標を全社員で共有することができます。
  2. 目標の達成に向かって、職場が一体となって取り組むことができます。
  3. 目標の達成状況を数字で測定することができます。

測定した結果から成果や反省を導き出し、次の対策を決め、再び実行し、また成果測定を行う…、これを繰り返していくことで、会社は一歩一歩成長していきます。

【参考】金融、税制上のメリット

会計を経営に活用する目的の1つに、「信頼性のある決算書」を作ることがあります。決算書を作るためのルールが「中小会計要領」です。「中小会計要領」を活用することで、資金調達や補助金申請時、税制上のメリットがあります。

  1. 金融機関からの借入時に信用保証協会の保証料率を軽減する「保証料率割引制度」を利用することができます。
  2. 日本政策金融公庫から「優遇金利」で事業資金を借り入れることができます。
  3. 中小企業庁の多くの補助金において、中小会計要領に沿った計算書類を審査時に加点評価を行っています。(詳しくは中
    小企業庁のホームページをご覧ください。URL:http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/sien/katenjigyou.htm
  4. 正しい会計処理を行い、会社の経理と経営者の家計との関係をきちんと区分し、財務基盤が強くなれば、「経営者の個人保証」
    を提供しなくても借入れできる可能性があります。(詳しくは、「経営者保証に関するガイドライン」をご覧ください。URL:http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/index.htm
  5. 財務管理の高度化を行うことなどにより経営力を向上させる「経営力向上計画」を「国が認定」し、固定資産税の軽減や金融面等の支援を行うことを予定しています。(平成28年通常国会に「中小企業等経営強化法」が提出されました。)

まとめ

会計業務を行うことによってお金の動きをしっかり把握することは、会社の目標が具体的に立てられ、社員との目標共有に効果的に働くことがわかりました。「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」については中小企業庁のサイトで確認できますので参考にしてみてください。

中小企業庁「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/2016/160510kaikei.htm