世の中が大きく変化し、新たな技術が登場して進化するネット社会では、企業の仕事はどのように変わっていくのでしょうか。これからの企業に必要とされる部署と仕事を考えてみましょう。

ネット社会に対応する「電子企業部門」

インターネットにつながっていることを前提とするネット社会では、仕事の仕方が従来とは大きく変わりつつあります。スピードが速くなり、市場は世界中に広がります。
こうした変化に対応して売上を伸ばしたり、新たなサービスで起業したりする会社も登場しています。一方で、変化に戸惑っている会社も少なくありません。これまでの会社の中の作業分担では、うまく機能しないこともあるでしょう。
これまで誰も体験したことがない新しい社会に対応するには、新しい仕事の仕方や専門の部署が必要です。デジタル変革と呼ばれる、すべての情報をデジタル化して活用していくには、これまでと異なる知識と技術を持った人材が必要になります。
ここではそうした人材が集まったネット社会に対応した部署を、「電子企業部門」と呼ぶことにします。電子企業部門の具体的な仕事には、次のようなものが挙げられます。

1.企業内の複数電子証明書の維持管理
2.顧客情報や売掛データなど、企業内ストック情報の維持及び危機管理
3.受発注データ、電子メール、システムフローデータなどの危機管理
4.ホームページの更新、問い合わせへの対応
5.社内、社外、両方のネットワークに関する維持管理
6.ウイルス対策、セキュリティー対策の実施
7.ネット社会での法遵守(コンプライアンス)
8.サイバー警察、電子納税、電子入札など電子官公庁との窓口
9.ITベンダーとの窓口
10.電子企業家ベンチメークチェック、社会教育、運用など

電子企業部門の仕事例

サイバー攻撃を受けているPCとセキュリティー対策をしたPCを持つサラリーマンのイラスト

たとえば高度化するサイバー攻撃が起こったら、従来の情報システム部門の人だけでは対応できないことも出てくることでしょう。ウイルス対策やセキュリティー対策の知識に加え、組織への被害ををいかに防ぐかを検討し、経営者や他部門と連携して対処に当たることが、電子企業部門メンバーの仕事になるでしょう。

つながる時代のデータ利活用

これからのネット社会では、あらゆるモノがインターネットにつながり、情報を連携して活用していくIoT(インターネット・オブ・シングス)の実用化が急速に進むと考えられています。インターネットにつながったモノに取り付けられたセンサーから、リアルタイムに多種多様なデータが収集され、活用されるようになります。
こうした時代では、データの利活用をすることが重要なポイントとなります。収集したデータを分析し、課題を解決したり、新たなビジネスを生み出したりすることが、会社を成長させ、利益を生み出すことにつながります。
日々、新しい技術を学び、社会との接し方やつながりを理解して、個人の成長をも実現していきましょう。

ビッグデータ時代のデータ利活用

IoTと腕を掲げるOLとサラリーマンのイラスト