会社の業務を進めていくためには、経営陣をはじめ、製造部、営業部、販売部、人事部、財務部などの部門のほかに、幅広く管理や業務サポート仕事を担当する部門も必要になります。それらを一手に引き受け、業務をスムーズに進められるように仕事をしているのが「総務部」です。

総務部の業務の内容

一般的に製造部や営業部のように、直接、会社の売上に関わっている部門を「直接部門」と呼びます。直接売上に関わらない人事部、財務部、総務部などの部門は「間接部門」と呼びます。総務部は、間接部門の中でも、最も多岐にわたる仕事を担当しています。まさに、縁の下で支えるような役割です。総務部が行う主な業務は、次の通りです。

1.資産管理、備品管理
会社が所有する各種の設備や機器、備品の管理をします。社用車や会議室の備品などを保管し、必要に応じてメンテナンスしたり、購入を手配したりします。資産管理は財務部でも行いますが、金銭的価値については財務部の担当で、物理的な管理を総務が行います。ノートやファイルなどの事務用品やオフィスで使う生活用品などの消耗品についても、総務部が手配します。

2.社内規定の作成と管理
総務部は会社で働く人のルールとしての「社内規定」を作成し、管理します。必要とされるルールや働き方は、状況によって変わってきます。業務を進める上で基本的なルールは業務規程にまとめられます。また、社員が働く上で守るべきことは従業員規定または就業規則として定められます。各種の規定を見直ししたり、社員に周知したりすることも総務部の役目です。

3.社内コミュニケーションの向上
社員相互の交流を図り、コミュニケーションを図ることも総務部の役目です。コミュニケーションの向上が業務をスムーズに進め、新しいアイデアを生み出すことにつながります。社員旅行やレクリエーションイベントを企画して実行するといった仕事があります。また、社内の取り組みを共有するために社内報を発行したり、社内ポータルサイトで情報共有したりしている企業もあります。

4.株主総会の開催
株式会社には、会社に対して出資をしてくれた株主がいます。毎年1回株主を集めて、株主総会を開催します。株主総会では、会社の収支報告をしたり、役員の選任を行ったりします。この株主総会の準備と実施も総務部の仕事です。

「総務部」の業務

資産と備品・社内規定・総務部のサラリーマンの3つのイラスト

社員の健康管理も担当

総務部では、働いている人の健康管理についても担当します。健康診断の実施や成人病対策のための取り組みなど、社員の健康を増進するための仕事をします。会社の空きスペースを使って軽いスポーツができる設備を整えたり、リラックスルームを用意したりする企業もあります。
また、現在では働く人の身体の健康だけでなく、心の健康も重要だと考えられています。ストレスチェックを実施するなど、メンタルヘルスの面の取り組みも求められています。

社員の健康を向上し、健康経営を実現

健康的な社員達と社員の健康管理に取り組もうとしている総務部のサラリーマンのイラスト

社外とのコミュニケーションの要にも

総務部は多岐に渡る仕事をカバーしていますから、株主だけでなく多様な社外の人々との接点を持ちます。ネット社会では各種のコミュニケーションツールを活用して、社外の人との人脈づくり、情報交換なども行います。