製造業や建設業といった企業では、売るための商品を作る工程が欠かせません。そのモノ作りの中心的な業務を行っているのが「製造部」です。製造部の業務の流れを説明します。

材料の仕入れから出荷まで。製造の流れ

製造部では材料を仕入れて商品を作り、出荷するまでを担当します。業務の流れの中で行う主な作業は、次のとおりです。

1.仕入れ
商品を作るために必要な原料や部品などを購入します。この仕入れの作業を「購買部」として独立している会社も数多くあります。

2.製造
仕入れた原料や部品などを使って商品を作ります。この製造の工程の全部または一部を、外部の会社に委託することがあります。これを「外注」や「アウトソーシング」と呼びます。

3.検査
出来上がった商品に欠陥や不備がないかを検査します。製造したもの全てを検査する方法を「全数検査」または「全品検査」と呼びます。一部を無作為に選んで検査する方法を「抜き取り検査」と呼びます。

4.梱包
出来上がった商品を出荷できるように梱包します。その商品が別の会社の商品の部品や部材になる場合は、簡易的な梱包で済ませることがあります。

5.出荷
梱包の済んだ商品を、指定した場所や会社へ送り出す作業です。商品を運ぶこと自体は、多くの会社が外部の運送会社に委託しています。

「製造部」の作業の流れ

モノ作りを進める流れの5項目の図と男性作業員とトラックのイラスト

生産計画を立てて、効率的にモノを作る

製造部の作業の流れをスムーズにし、利益を出すためには「どの商品を、いつ、どれだけ製造するか」という管理が重要になります。こうした計画を、「生産計画」と呼びます。計画的に製造を行わないと無駄な作業が出て、在庫が増え、利益が出ません。

計画通りに作業が進んでいるかを管理することを「生産管理」と呼びます。仕入れた原料や部品が長期間倉庫に寝かされていたり、製造するときに足りなくなったりしないように、生産管理に基づき、最適なタイミングで作業を進めていきます。

IT活用がされる以前は、生産計画を立案するにも、生産管理を行うも多くの手間が発生していました。現在は生産計画や生産管理のシステムを使い、効率的に作業を進めることができるようになっています。
ネット社会になり、製造拠点である工場と本社をつないで最適な生産管理をすることも可能になりました。材料の仕入れ先や出荷先とも電子商取引でやり取りされるようになっています。

複数拠点を結んで生産管理

ネットワークで繋がる生産拠点の3つの工場と本社のイラスト