新たに事業をスタートすることを「起業する」といいます。ネット社会では様々な新たなビジネスのアイデアが生まれ、起業のチャンスが多く存在しています。起業から会社を設立するまでの流れを理解しておきましょう。
会社を設立するまでの流れ
ネット社会ではアイデアと技術力、営業力などのスキルを駆使して起業し、会社を大きく成長させている例が世界中で数多くあります。ITの分野では、従来のように工場の設備や機械、製造をする人材を雇うための多くの資金がいらないこともメリットです。
小さなアイデアから事業を大きく成長させ、社会的信用を得るためには、起業をして会社を設立します。会社の種類には、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社があります。ここでは主に、株式会社の例で説明しています。
株式会社を設立するには、図のような流れで進めて必要な書類を揃え、法務局に申請、登記します。
- 事業と方針を決める
どのような事業を行っていくのか方針を決め、事業計画を立てます。 - 商号を決める
「商号」とは、会社の名前のことです。会社名は、会社のイメージを表すものです。同じような名前の会社がないか、調べておきます。 - 会社の印鑑等を作る
商号が決まったら、印鑑を作ります。会社の実印や角印、銀行印、ゴム印など各種の種類に必要になる印鑑を作ります。 - 定款を作って認証を受ける
「定款」とは、組織の活動に関して、目的や事業内容、組織の形や選出のルールなど、運営にあたっての指針をまとめて書面にしたものです。作成したら正式の書類であることを証明するために、公証人役場で認証を受けます。 - 出資金を払い込む
発起人名の口座に出資金を払い込み、資本金を用意します。 - 登記の書類を作成して登記する
必要な書類を揃えて、法務局に申請します。確認を受けて、不備があったら補正し、登記が完了します。
法人設立までには、様々な書類を作成し、管轄の機関に申請することが必要になります。それぞれの段階で専門家に相談したり、法務局の相談窓口でアドバイスを受けたりするとよいでしょう。
株式会社の経営メンバーと役割
会社の種類で株式会社を選んだ場合は、会社を設立するときに、どのような組織にするか「機関設計」をします。主な機関は、次の5つです。
- 株主総会
会社の最高意志決定機関です。 - 取締役
会社の業務執行を担当します。 - 取締役会
重要な決定事項を審議し、決定する機関です。取締役会は、3名以上の取締役で構成されます。 - 監査役
会社の会計を監査します。 - 会計参与
取締役と共同で会計の種類を作成します。
機関設計では、誰がどの役割を担うかを決めておきます。もっとも小さくシンプルな形では、1人の取締役で構成する方法です。株主総会と取締役のみで構成されます。経営に関わるメンバーが複数いる場合は、取締役会によって経営方針を協議しながら進めます。
株式会社の機関設計
会社設立に関しては、「会社法」と呼ばれる法律で一定の規則が決められています。社会の一員として、事業を行うことで社会に貢献していくことが求められているのです。