日本の経済成長を支え、競争力の原動力となった製造業。現在、「つながる」をキーワードに新たな挑戦も始まっています。
設備投資と雇用が求められるビジネス
物品を生産する、これが 「製造業」の業務です。製品を作るには機械や設備が必要になります。また、機械を動かす人を雇わなくては稼働できません。製造業では、設備投資や雇用が求められるビジネスと言えるでしょう。
製造業では多様な物品が作られています。家電製品や日用品のような消費者が使う最終製品を作っている会社、部品や半製品を作っている会社など、それぞれの技術を活かして生産しています。
製造業は、仕事の内容から次の2つに大別されます。
1. 加工業
素材や原料を仕入れ、それらを加工して部品を作ります。
2. 組み立て業
加工業の会社から部品を仕入れ、それらを組み合わせて製品を作ります。
工場での生産形態からの視点では、次の2つに分けられます。
1. 受注生産
注文を受けてから生産にとりかかる形態です。生産した製品を販売する先が決まっている点では安心ですが、注文があるまでは工場の設備や人員が遊んでしまうことや、納品までに時間がかかることなどの特徴があります。
生産する製品の仕様がお客様独自のものである場合には、特注品と呼ばれます。
2. 見込生産
売れることを見込んであらかじめ生産しておく形態です。販売見込が外れると売れ残りになってしまう危険性がありますが、大量に消費される量産品の場合には市場での欠品を防ぐことができるメリットがあります。
変わるモノづくり
機能に優れ、品質の良い製品を作る製造業は、日本の経済成長を中心的存在として下支えしてきました。しかし、国内市場の縮小、労働単価が安い新興国の台頭によって、モノ作りの優位性が保てなくなり、新しいビジネスモデルの構築が求められています。
一方、インターネットの普及とICTの進歩により、モノのインターネット(IoT)のような新たな技術が製造業の現場を変え始めています。
工場の設備にセンサーを取り付け、稼働状況を自動的に管理したり、製造した部品や半加工品を他の工場と連携しながら、スピーディーに少量生産したりと、従来はできなかったことが可能になっています。流通や小売業と連携した新たなサービスも生まれています。
これまで独立していた業種をつなげて、新たな価値を生み出す、「つながる」モノ作りへ、様々な挑戦が始まっています。