小売業:個人の生活に身近な存在

日々の生活に密着している業種が「小売業」で、多様な業態があります。ここでは小売業の業態と店舗の形態を解説します。

小売業の多様な業態

「小売業」とは、個人用または家庭用消費のために、最終消費者に商品を販売する事業をいいます。基本的な業務は、商品を仕入れ、その商品を販売することです。ただし、靴や鞄など製造販売をしている会社は、自社で製造したものを直販する場合は製造業に分類されます。
同じ商品でも販売方法によって、業態が複数あります。主な業態は次の通りです。

1. 店頭販売(店舗販売)
小売業の最も定型的な業態です。店舗を構えて商品を販売します。
2. 通信販売
「通販」と略して呼ばれます。基本的に注文は電話で受け付けます。販売する商品を紹介する方法には、いくつかあります。カタログをダイレクトメール(DM)として送る方法、テレビで紹介する方法(テレビショッピング)、雑誌などに広告として掲載する方法などです。
3. ネット販売
通信販売の一種ですが、商品の紹介や注文の受付を電話ではなく、インターネットを使って行います。企業対個人のB2C取引は、この業態になります。
4. 訪問販売
販売員が各家庭を訪問して販売する業態です。通信販売やネット販売と、無店舗という意味では共通しています。
キャッチセールスやマルチ商法などにより、訪問販売の悪徳な方法が問題視されるようになりました。特定商取引やその他の法律に定められた消費者を守る制度として、「クーリング・オフ」が用意されています。

インターネットやスマートフォンが普及し、ネット販売が急速に拡大しています。店舗が不要なため、資金が少なくてもビジネスを始められる点が魅力です。ただし、売上を増やすには、多くの人が利用するショッピングモールに参加したり、既存のメディアを利用して広告を行ったり、SNSの口コミで紹介されるなど、多くの人の目に触れる必要があります。

小売業の業態で伸びる「ネット販売」

スマートフォンをスクロールしているイラスト

小売業の店舗の形態

小売業の伝統的な業態は店舗販売です。店舗の形態が多様であることも、小売業の特徴です。店舗には次のような形態があります。

1. デパート
様々な商品を取りそろえ、催事を行ったり、レストランを用意したりしている大型の店舗です。百貨店ともいいます。店自体をブランドとして、高級・高品質なイメージを提供している点が特徴です。
2. スーパーマーケット
地域に密着して、生活に必要な食品や衣料品、日用雑貨などを取り扱っている店舗です。生鮮品を基本に発展してきた店舗と、衣料品を基本に発展してきた店舗など、店によって特徴が異なります。
3. コンビニエンスストア
名前が示すとおり、便利さを特徴としている業態です。食品から日用雑貨まで扱い、商品数が多いのが特徴です。物販に加え、スナックや飲み物の提供、宅配便の取り次ぎや公共料金の払込受付、金融機関のATM設置などサービスを拡充しています。
4. フランチャイズ(FC)型小売店
フランチャイズは店舗の種類ではなくて経営形態の種類です。したがって分類方法が異なりますが、ここで紹介します。
コンビニエンスストアは、ほとんどの店舗がこの形態です。本部を運営している会社と加盟店契約を結びます。その契約により、セブンイレブンやローソン、ファミリーマートといった共通した名前やイメージカラーを使用することが許されます。商品はすべて本部が提供することで取り扱い品目や品質を一定にします。また、本部は契約店舗に対して販売ノウハウの提供や教育などを行います。

5. 量販店
大規模な小売店のことです。一般的には大資本の企業が経営し、多数の店舗をチェーン展開しています。家電や洋服のように専門店化しているものと、ディスカウントショップのように何でも取り扱う店舗とがあります。
一般の小売店は個人経営の店も多く、大きな資本は持っていません。大資本に対抗するのは難しいため、量販店の出店に対しては規制があります。2000年から改訂された「大規模小売店舗立地法」では、地域環境の保持を目的とし、駐車場整備や騒音環境対策などを配慮すべき項目として挙げています。

小売業の店舗の形態

デパート・スーパーマーケット・コンビニエンスストアのイラスト

参考資料:経済産業省 大規模小売店舗立地法
http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/daikibokouritenporittiho.html


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