業界ごとに扱っている商品やサービスが異なり、業務のやり方も違います。代表的な業界を紹介します。ここでは「建設業」について解説します。

企業が扱っている商品や業務の種類の大分類。これが「業種」

「建設業」は、ビルや橋などの構造物の建設工事を請け負う事業をいいます。構造物は細分化された各種の工事によって作られます。日本では建設業として事業を営むためには、建設法で定める28種類の工事ごとに許可を受けなければなりません。
28種類には鉄筋工事や電気工事、解体工事など、特化した工事の内容によって区分がされています。代表的なのは、建築工事と土木工事です。

● 建築工事:総合的な企画、指導、調整のもとに建築工作物を建設する工事。各種ビルや戸建て住宅、ログハウスまで様々な種類、規模の建物を作る

● 土木工事:総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事。道路や橋を作るほか、土地の造成も行う

「建設業」は工事の種類によって細分化されている

PCを持つ作業員のイラスト

建築工事と土木工事では、工事の技術も進め方も大きく異なります。そのため建設業では、工事を扱う会社が専門化、細分化して存在しています。複数の都道府県で営業所を構える場合は国土交通大臣から、1つの都道府県に会社がある場合はその地域の知事から許可を受け必要があります。こうした背景も各会社を専門化させる要因のひとつと言えるでしょう。
このような理由から、建設業ではひとつの仕事を複数の会社で分担して進めることが一般的です。建築も土木も両方を扱い、すべての工事を自社でカバーできる大企業はごく一部です。このような総合的な建設の企業をゼネコン(ゼネラルコンストラクタ)と呼びます。道路や橋、大規模な施設の工事はゼネコンが一括して受注し、下請会社に発注しています。

「電子入札」と「電子入札コアシステム」

道路工事のような社会インフラとしての工事は、国または地方自治体が主体となって進めます。このような工事を「公共工事」と呼びます。
公共工事では、入札制度で工事が発注されます。従来の紙による入札では、大量の資料を準備しなくてはなりませんでした。そこで情報の入手や入開札までの一連のプロセスを電子化し、手元のパソコンからインターネットを介して行う「電子入札」が進められています。競争力の向上、コストの削減、事務の効率化が狙いです。
そして公共事業の企画・計画、設計、調達、工事および維持管理で発生する図面、地図、写真、書類を電子化し、効率的に情報を交換、共有、連携できる仕組み、「公共事業支援統合情報システム」(CALS/EC:キャルス・イーシー)が作られ、利用されるようなりました。
さらにこのCALS/ECをもとにした国土交通省電子入札システムをベースに、「電子入札コアシステム」が開発され、電子入札システムの基本つまり核(コア)となる機能を提供しています。国の機関や都道府県、政令指定都市、市町村で広く採用されています。

「電子入札コアシステム」の活用

紙からパソコンへの電子化を表したイラスト

電子入札コアシステムによって様々な電子入札システムが乱立するのを防ぎ、企業の電子入札に対応する労力とコストを抑えることができます。

参考資料:国土交通省 電子入札とは
http://www.e-bisc.go.jp/service/