大企業と中小企業の違いは、どこにあると思いますか? 従業員を何千人も抱えて多くの利益を生み出しているのが「大企業」、そうでないのが「中小企業」と考えていませんか? 一般的な定義を知っておきましょう。

圧倒的大多数の中小企業

日本では、中小企業を扱う行政機関である中小企業庁が、中小企業の定義を決めており、それを超える規模の会社を大企業と呼んでいます。2010年に閣議決定された「中小企業憲章」には、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」と冒頭で述べているように、日本の経済を支える存在が中小企業なのです。

経済産業省が公表している「平成29年度 中小企業白書概要」の事業者数の表によると、大企業は1.1万者、中小企業は380.9万者と圧倒的に数が多いのが中小企業であることがわかります。

業種によって基準値が異なっている点に注意してください。これは、業種によって用意しなければならない設備や従業員に差があるためです。
工場などの設備投資が必要な製造業は基準値が高く、比較的設備投資が不要な小売業などは低く設定されています。
中小企業の中でもさらに小規模な企業については、小規模事業者として別に定義されています。定義の基準は従業員だけであり、以下のようになっています。

大企業と中小企業の事業者数

大きいビルと小さいビルのイラスト

中小企業は業種によって基準が異なる

中小企業の定義は、「中小企業基本法」によって基準が定められています。基準には資本金の額と従業員の数とがあり、どちらか一方が当てはまれば中小企業に分類されます。

種分類 中小企業基本法の定義
製造業その他 資本の額または出資の総額が3億円以下の会社、常時使用する従業員の数が300人以下の会社、個人
卸売業 資本の額または出資の総額が1億円以下の会社、常時使用する従業員の数が100人以下の会社、個人
小売業 資本の額または出資の総額が5,000万以下の会社、常時使用する従業員の数が50人以下の会社、個人
サービス業 資本の額または出資の総額が5,000万以下の会社、常時使用する従業員の数が100人以下の会社、個人

業種によって基準値が異なっているのは、用意しなければならない設備や従業員に業種によって差があるためです。工場などの設備投資が必要な製造業は基準値が高く、比較的設備投資が不要な小売業などは低く設定されています。
中小企業の中でも、さらに小規模な企業については、小規模事業者として別に定義されています。定義の基準は従業員数です。

業種 従業員の数
製造業 20人以下
商業・サービス業 5人以下

また、政令により宿泊業及び娯楽業では、従業員20人以下の事業者を小規模企業としています。

現在の基準は平成11年に改正されました。社会の実情に合うように、適宜、改正が行われます。
中小企業に関する情報は、以下のホームページを参考にするとよいでしょう。

【中小企業庁】ホームページ  http://www.chusho.meti.go.jp/

【中小企業憲章・法令】 http://www.chusho.meti.go.jp/hourei/