企業がネット社会に対応しなければならない理由は再三述べたとおりですが、実際にネット社会に対応すると、企業にとって新しい社会と接することになります。
今まで紹介してきた部署は、会社内でどのように作業分担を行っているかを示したものでもありますが、ネット社会という新しいものと付き合う部署は今まで存在しません。
それは、ネット社会というものが、今まで誰も経験したことがない新しいものだからです。
つまり、逆のいい方をすると、ネット社会に対応するためにはそのための部署が必要だということです。名付けて「電子企業部門」です。

パソコンの前で話すビジネスマン3人のイラスト

電子企業部門での具体的な仕事には、次のようなものが挙げられます。

1.企業内の複数電子証明書の維持管理
2.顧客情報や売掛データなど、企業内ストック情報の維持及び危機管理
3.受発注データ、電子メール、システムフローデータなどの危機管理
4.ホームページの更新、問い合わせへの対応
5.社内、社外、両方のネットワークに関する維持管理
6.ウイルス対策、セキュリティ対策の実施
7.ネット社会での法遵守(コンプライアンス)
8.サイバー警察、電子納税、電子入札など電子官公庁との窓口
9.ITベンダーとの窓口
10.電子企業家ベンチマークチェック、社内教育、運用など

従来、コンピュータに関することは情報処理部門と呼ばれる部署が行ってきました。しかし、それは社内の業務をコンピュータ化することで効率を向上することが目的でしたから、会社とネット社会がどのように関係するかということが重要な課題ではありませんでした。
ところが、ネット社会は完全に社外の問題ですから、情報処理部門が今までと同じ感覚で仕事をするわけにはいきません。社会との接し方を理解した人が必要なのです。
それは本書を読んでECマスターやEC実践担当者になるための勉強をしているあなたです。