人がひとりでこなせる作業量には限界があります。会社の業績が伸びてくると、それに応じて仕事の量も増えてきますので、人の数を増やして作業を分担しなければなりません。
人が増えてくると、その人たちの管理を行う必要が出てきますので、その作業を行うのが人事部の役割です。
人事部の仕事には次のようなものがあります。
1.採用
新しく会社に人を雇い入れるための作業です。採用募集の告知から試験・面接の実施、合否の通知などを行います。
採用の形態には新卒採用と中途採用の2種類があります。新卒採用は当年度の卒業予定者を募集して翌年度の最初から雇うことであり、中途採用は時期を問わず必要なときに募集して雇うことです。中途採用は即戦力になる経験者が必要な場合に行われます。
短期的に派遣会社から専門スタッフを派遣してもらう手配なども行います。
2.入社、退職手続き
人が入社するとき、および退職するときには様々な手続きが必要になります。たとえば、入社のときにはその人をどの部署に配置するか決めなければなりません。そして、関連部署にそのことを通達して準備してもらう必要もあります。
そのほか、税金(所得税、都道府県民税、市区村民税など)、健康保険、厚生年金、雇用保険などの関係で、会社の外部に対しても色々な手続きが必要です。
退職の場合には、入社のときと反対の手続きが必要になります。
3.出退勤管理
遅刻、早退、欠勤などの管理です。多くの会社ではタイムレコーダーを導入していますが、それを毎月集めて集計するのも人事部の仕事です。
4.給与・賞与
社員の最大の関心事である毎月の給与は、人事によって計算されます。残業時間、遅刻などを計算して、経理部門に支払いの指示を出します。
5.人事評価
基本的な評価は直属の上司が行いますが、それらを集めて最終的な評価にまとめるのは人事部の仕事です。
6.異動、昇格、降格、懲罰
ほかの部署への異動、昇格や降格、社内規定に違反した場合の懲罰など、これらの管理も人事部の仕事です。
大企業では部署の異動や昇格に試験を必要とする場合があり、その試験を実施するのも人事部の役割です。
7.教育
新しく会社に入った人を教育します。会社には会社ごとに色々なルールがあります。日々の業務はそのルールに従って進められていますので、新入社員の人たちにそのようなルールを覚えてもらうために教育を行います。また、新卒で入社した人には、社会人としての一般的な教育も必要です。
ネット社会では、セキュリティや個人情報の取り扱いなどに関する注意事項もありますので、ECマスターやEC実践担当者は新入社員に教育をする役目も持ちます。
今後は、社員募集や応募の受付などがネットワークを通じたものに変わっていきます。採用・不採用野などの通知も電子メールを利用することになりますが、本人にとってプライベートなことですから、メールを暗号化するなどの配慮が必要になります。
ECマスターやEC実践担当者はそのような細かい点についても注意をし、直接の担当者の意識を高めてもらうようにしなければなりません。
タイムレコーダー
出社と退社の時間を記録する機械。タイムカードと呼ばれる用紙に時間を刻印する。通常、カード1枚が1ヶ月分。社員証をICカードにすると、タイムカードは不要になる。