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物作りをしているのが製造業です。
製造業はまず物を作ってそれを売るのがビジネスですから、物を作るための設備が必要になります。つまり、工場が必要です。
工場には建物だけでなく、物を作るための機械が必要です。現在ではオートメーション化が当たり前ですから、どれほど小さな会社であっても、それなりの設備を整えなくてはなりません。また、設備だけでは稼働しませんから、働く人も雇わなければなりません。
このように、製造業というのは、それなりの設備投資が必要なビジネスであることが分かると思います。

橋と道路とビルのイラスト・国土交通省HP電子入札システムの画像

製造業は、その仕事の内容から次の2つに大別できます。

1.加工業
素材や原料を仕入れ、それを加工して部品を作ります。
2.組み立て業
加工業の会社から部品を仕入れ、それらを組み合わせて製品を作ります。

自動車や家電品などのような、私たち消費者が購入する製品を作っている会社は、ほとんどが組み立て業です。私たちが部品を購入してもほとんど使い道はありませんから、当然といえば当然です。
消費者が購入する製品は、一般に最終製品と呼ばれます。それに対して、工場間で売り買いされるものは部品または半製品と呼ばれます。
部品と半製品の違いは、素材や原料から作られたものが部品であり、部品を組み合わせて作っているが、まだ完全に組みあがっていないものが半製品です。
半製品は最終製品に対する呼び方であって、それが売れないという意味ではありません、半製品を専門に製造している会社はたくさんあります。半製品を購入する会社から見れば、それは部品を同じことです。また、半製品を作る会社は、多くの場合、組み立て業になります。

次に工場での生産形態を見てみましょう。それは次のような2種類に分類します。

工場の生産形態のイラスト

1.受注生産
注文を受けてから生産にとりかかる形態です。作ったものを売る先はすでに決まっているので安心ではありますが、注文があるまでは工場の設備や人員が遊んでしまうことや、納品までに時間がかかることなどの特徴があります。
作る物の仕様がお客様独自のものである場合には特注品と呼ばれます。
2.見込生産
売れることを見込んであらかじめ生産してしまう形態です。見込が外れると売れ残りになってしまう危険性がありますが、大量に消費される量産品の場合には、市場に出回る商品を切らさないようにすることの方が重要です。
 
製造業は長らく日本経済の中心的存在となり支えてきましたが、中国などの労働単価が安い国の台頭により、新しいビジネスモデルが求められています。
製造業の特徴は物販であることです。つまり、購入する側から見れば、その物の仕様や品質が同じである限り、どの会社が作ったものであるかはほとんど関係ありません。
そのため、どうしても価格競争に陥りがちですが、価格競争では労働単価が安い国々などが相手では不利になります。これに対抗するためには、商品と共にサービスを提供するような、総合的なビジネスを展開する必要があります。
また、特に中小企業の場合に、どこにも作れない製品を提供することで、世界のトップシェアを保持している企業がたくさんあります。