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建設業の代表的な仕事は橋やビルなどの構造物を作ることですが、それだけが建設業ではありません。建設業は大きく次の2つに分類できます。

橋と道路とビルのイラスト・国土交通省HP電子入札システムの画像

1.建築業
 一戸建住宅から高層ビルまで、人が生活する空間を作るのが主な仕事です。
2.土木業
 代表的な仕事は道路を作ることです。そのほかにも土地の造成、造林など、いわゆる土木工事を行います。

 建築業と土木業は仕事の性格がかなり違います。さらに、建設業を営むには28種類の工事ごとに許可を受けなければならないため、建設業では各会社が専門化しており、すべてを自社で賄える会社はほとんどありません。建築も土木も両方できるような会社はゼネコン(ゼネラルコンストラクタ)と呼ばれます。
 許可を受ける内容としては建築一式工事、土木一式工事、左官工事、塗装工事などがありますが、厄介なのは、複数の都道府県に渡って営業所を設ける場合は国土交通大臣から、1つの都道府県のみの場合は知事から、許可を受けなければならないことです。これも、各会社を専門化させる要因の一つに挙げられるでしょう。
   このような理由により、建設業ではひとつの仕事を複数の会社で分担するのが普通です。そのため、仕事の注文を直接受けた元請と、元請から仕事の依頼を受ける下請の関係が生まれます。道路などの大きな工事はゼネコンが一括して受注し、下請けに仕事を回すのが普通です。
   道路工事などの社会全体にかかわる工事は、国または地方自治体が受注します。このような工事を公共工事と呼びますが、国や地方自治体の財政難により公共工事は減っています。そのため、今まで公共工事を専門的に受けていた会社も、民間工事を行うようになっています。
   公共工事は入札制度により発注が行われますが、これを電子化する、いわゆる電子入札への移行が急速に進んでいます。
 建設業の電子入札では、建設CALS/ECというのがキーワードになります。もともとCALS/ECは、アメリカ軍と民間企業の間の取引を電子化するための取り決めです。電子化による効率アップを狙って開発されたものですが、それを日本向けにアレンジし、さらに建設業に向く形にしたのが建設CALS/ECです。
 この建設CALS/ECをベースに開発されたのが、国土交通省が推し進めている電子入札コアシステムです。

電子入札コアシステム

複数の公共発注機関に対応可能なコア(核)システム。これにより様々な電子入札システムが乱立するのを防ぎ、企業側の電子入札に対応する労力とコストを抑える目的がある。