電卓と資料

会社を見る前に、経済活動という視点で世の中の構造を見てみましょう。
経済活動の運営は、大きく官公庁・地方自治体の公的組織と、民間組織とに分類できます。
公的組織は国民や地域住民のために奉仕活動を主とする事業体なのに対し、民間組織は営利を主目的としています。
民間組織にもいくつかの種類がありますが、いわゆる会社組織と呼ばれる団体が中心になります。そして、会社組織のほとんどは、株式会社化有限会社のどちらかに分類されます。
株式会社と有限会社を比較すると次のようになります。

株式会社の条件、有限会社の条件

比較項目 株式会社 有限会社
定められている法律 商法 有限会社法
最低資本金 1,000万円 300万円
役員数 3名以上 1名以上
役員の任期 取締役・・・2年
監査役・・・4年
特に定めなし
決議機関 株主総会 社員総会

比較表を見ると分かるように、株式会社に比べて有限会社は条件が緩く会社を設立しやすいといえます。そのためベンチャー企業などは、まず有限会社として設立して事業を開始し、業績が上がるに従って株式会社へ組織変更をする方法が取られていました。
しかし、2003年に施行された中小企業挑戦支援法により、経済産業大臣の確認を受けた創業者が設立する株式会社及び有限会社については、最低資本金未満の資本金でも設立できるようになりました。
いわゆる「1円株式会社」とは、この特例を受けて設立された会社のことですが、正式には確認株式会社といいます。有限会社の場合には確認有限会社と呼ばれます。
ただし、この特例が適用されるのは会社設立から5年間のみであることと、この法律は2008年3月31日までの時限立法であることに注意が必要です。
ちなみに、ベンチャー企業でもベンチャーキャピタルなどから融資を受けられれば、初めからかなりの資本を持った株式会社として設立することもあります。

中小企業挑戦支援法

正式には「中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律」という。

会社設立から5年間

5年間のうちに、最低資本金以上に増資するか、合資会社などの別の会社組織に変更するか、会社を解散するか、いずれかの対応をしなければならない。