働いている人は毎月の給与から税金を引いた額が支払われています。この税金がどのようなもので、どう算出されているかを知っておきましょう。徴収した税金を企業がどのように納税しているのかも理解しましょう。
給与明細から天引きされている「税金」の意味を知っておこう
会社は従業員に給与を支払う際に、各種の保険料や税金の額を算出して差し引いた金額を支払っています。「給与明細」を見ると、「控除額」として天引きされた金額が記載されています。税金に関しては、「所得税」と「住民税」の2項目があります。
「所得税」は国税です。最寄りの税務署から入手した「給与所得の源泉徴収税額表」を参照して、計算されます。社会保険料控除後の給与の金額と扶養親族の数によって、所得税の額が変わります。
「住民税」は、住民票所在地の地方自治体に納める地方税です。前年の所得に対して課税され、課税庁が決める賦課課税方式で算出されます。会社が作成・提出した給与支払報告書を元に各市町村が住民税を計算し、5月31日までに会社に通知されます。
会社は従業員から徴収したこれらの額をまとめて、各機関に納税します。
年末調整の意味
毎月、給与から徴収した税金の1年間の合計額を算出し、払いすぎている場合には還付を、少なかった場合には差額を徴収して、正しい税額にする仕組みが「年末調整」です。
年末調整を行う理由は、人によって状況が異なることがあるからです。個人が加入して払っている生命保険料や住宅ローンの控除、配偶者特別控除があったり、年の途中で給与額が変わったり、扶養親族に変更があったりと、調整が必要になります。
年末調整の対象となるのは、1年を通じて勤務している人、中途で採用されて年末まで勤務している人などです。
年末調整を受けるには、控除に関する書類を揃えて、期日までに会社に提出します。総務や経理担当者は、12月の給与支払いで精算するため、早めに準備を進めていくことが重要です。
消費税の意味と使われ方
私たちが日常の生活で商品を買ったり、スポーツクラブや英会話などのサービスを受けたりしたときに支払う金額には、「消費税」が加算されています。消費税は間接税のひとつで、商品を購入したり、サービスの提供を受けたりした消費者が負担して、事業者が納税するものです。
消費税率8%には、消費税の税率 6.3%と 地方消費税の税率 1.7%が合算されています。(2019年2月現在)
少子高齢化が進み、労働人口が減っている日本では、安心して暮らせる社会を持続していくために、財源の確保が課題となっています。現在、検討されている消費税増税も課題を解決していくための取り組みです。
働いて納税したり、消費税を支払ったりすることで、一人一人が社会に貢献しています。納税者としてどのように税金が使われているのかに関心を持ち、より良い社会にするために考え、行動していくことが大切です。