現金をやり取りしない「キャッシュレス」の商取引が進行しています。キャッシュレスの取引にはいくつかの方法がありますが、現在、普及しているのがクレジットカードです。各カード会社によって、多様なサービスが提供されています。クレジットカードの仕組みと、企業会計での扱いについて知っておきましょう。
クレジットカードは「信用」による取引
クレジットカードはアメリカで誕生し、1960年代には日本で初めてのクレジットカード会社が設立されました。それから約60年の歴史を持ち、商品やサービスの代金支払の方法として普及しています。
「クレジット」とは、「信用(credit)」を意味する言葉。文字通り「信用」を元にカード会員とカード会社との間で契約をし、代金の支払いができる仕組みです。従ってカード会員になるには、カード会社の審査があり、利用規約のもとに契約を取り交わします。
クレジットカードを使って商品を購入する場合、どのように代金がやり取りされるのか、図解で説明しましょう。
カード会員は本人のクレジットカードを使って、カード加盟店で商品を購入します。カードを利用して、代金を支払します。
カード加盟店ではカードの情報を元にカードを使った会員の情報や商品の代金など売上データを、カード会社に送付します。カード会社はカード加盟店に、売上代金を支払います。
カード会社は、月末など決まった締め日でカードの利用代金の明細をカード会員に送付します。支払日になったら、カード会員は利用代金をあらかじめ決まっている銀行口座から支払います。
カード利用者にとっては、手元に現金がなくても商品やサービスを利用でき、まとめて後から支払うことができるのがメリットです。
カード加盟店にとっては、カード会員向けにお店やサービスを知らせる機会があり、マーケティングに役立ちます。また、現金取引よりも顧客の売上単価のアップが期待できることもメリットと言えるでしょう。
カード会社はカード加盟店から、契約に応じて手数料を徴収します。
企業会計でのクレジットカード利用の処理方法
クレジットカードには、「法人用」もあります。会社で商品を購入したり、食事に行ったりする際に支払に使えます。
複数の利用が後から送られてくる利用料金明細書と支払について、企業会計の処理方法としては、いくつかの考え方があります。シンプルなのは、「未払金」で計上する方法です。
利用したときに記載し、勘定科目「未払金」の補助科目に、カード名を記載するとわかりやすいでしょう。銀行から引き落とされる支払日に、未払金を相殺します。
現在のカード会社の多くが、web明細といったインターネットで明細が確認できるサービスを提供しています。また、明細をcsvファイルと呼ぶ、表計算ソフトや会計ソフトで利用できるデータとして受信できるサービスもあります。会計ソフトに読み込めば、複数の請求内容の明細を入力する手間が省けます。
法人のクレジットカードを使って支払をすれば、その場で現金で立て替え払いをしておき、後から伝票を起こして精算するといった手間が省けるのも、企業にとってはメリットとなるでしょう。