仕入のプロセスを理解しよう

前回の「販売管理のプロセスを理解しよう」では、主に得意先に商品を「販売」するプロセスを解説しました。
今回は、販売するためのモノ(商品)を仕入先から購入(調達・購買)する「仕入」のプロセスを理解していきましょう。

仕入と在庫の関係

基本のき(第1回)でも触れましたが、「商品」には「在庫」として保管しておく種類の「通常商品」と、「モノ」ではなくサービスのように在庫しない「サービス系商品」の2種類あります。
例えば得意先から「システム開発」というサービスを依頼されて、その全部または一部を「外注先」にお願いして対応頂く場合のように、モノではなくサービスを仕入することもありますので覚えておいて頂くと良いでしょう。

さて仕入した商品(通常商品)は、①在庫として管理される、②(在庫されずに)そのまま得意先に納品される、③自社の商品の一部または材料などに利用される、などがあります。①の場合には商品が倉庫などに「入庫」された時点で仕入計上され、在庫管理されます。
また②と③の場合は、商品を受領した時点で仕入計上されます。

仕入プロセスの基本

一般的には、「仕入」は以下のようなプロセスで行います。

見積依頼・見積・発注

特定または複数の仕入先に「何をどれだけ欲しい」など必要な商品の内容や数量などを伝え、その商品に対する「見積依頼」を行います。仕入先から「見積書」を受領したら、その取引条件や納期など必要な項目を確認した上で最適な仕入先からの商品を選択した上で「発注」します。ここで仕入先から受領している条件と同様の条件を記載した「発注書」を仕入先に提示し、仕入先からは「発注請書(注文請書)」を受領します。この「注文請書」は、仕入先が差出人で宛先は自社となります。

※ただし、案件や取引の状況によっては、「注文請書」のやり取りを省略する場合もあります。

提出した「見積書」の内容で得意先での承認が出ると、得意先から見積内容に沿って「注文書」を受け取ることになります。この注文書は、得意先から自社宛てに発行されます。
得意先から「注文書」を受け取ったら、その注文を受けるかどうかを自社内で確認し、承諾を受けます。
承諾することになったら、その得意先から注文書に記載の条件でその注文を受けるという意思を「注文請書」という書類で得意先に提出します。この「注文請書」は、自社が差出人で宛先は得意先です。
※ただし、案件や取引の状況によっては、「注文請書」のやり取りを省略する場合もあります。
自社も得意先も各々条件に合意したことが確認できた状態を「受注」したいいます。
受注したら、その取引条件に従って商品を得意先に引き渡します。これが「納品」です。在庫から納品する場合は倉庫などから「出庫」というプロセスを経ることになります。

納品・仕入・支払

そして、仕入先へ発注した商品が指定場所(倉庫や事務所など)に受領(入庫)されたり、サービス系商品の場合はサービス役務が完了した際に、その内容が発注した内容と同じであることを確認することを「検品(サービス系商品の場合は検収)」と言います。検品・検収が完了した時点で「納品」となります。

商品が納品される際に、仕入先に対して「受領書(サービス系商品の場合は検収書)」を発行してお渡しします。仕入先はこの受領書・検収書をもってその商品の請求書を発行することになります。

仕入先からの請求書を受け取ったら、約定通り(発注時の約束通り)に、支払金額、支払期日、支払方法などに応じて速やかに「支払」をします。支払時点になって条件を変更したり遅延したりすると仕入先からの信頼を失うことになり、中長期的にビジネスを圧迫することになりますので支払に関しては充分留意ください。

仕入の3つの取引形態

販売の取引形態に3種類あるように、仕入先への取引形態にも3つの取引形態があります。その取引形態に合わせて、業務の処理が異なります。

  • 現金取引
    仕入先から納品された時に、現金で代金の支払をする取引形態です。
    現金の授受があるため仕入先から「領収書」などを発行して頂くことになります。
    その場で取引が完結するので、振込の処理は必要ありません。
  • 掛け(都度)取引
    取引の都度、納品とともに請求される取引形態です。
    仕入先からの(仕入)請求書には支払期限や支払手段が記載されていますので取引条件に従って支払をします。また支払を実施したら、対応する仕入に対して「消込」処理を行います。
  • 掛け(締め)取引
    仕入をして納品されたら、月末など締め日を設定し、その期間内の納品分をまとめて振込をして支払う取引形態です。

※掛け(締め)取引では、月に一度の請求書発行で済む一方で、翌々月末払いのように支払期限が1カ月以上あった場合は、前月分の入金前に次月の請求が出ることになります。こうしたときは、掛け(締め)取引の請求書には「繰越金額」として、現時点で未入金となっている金額を記載することが一般的となっています。
また掛け(締め)取引でも、同じく期日に入金があったら、その入金がどの請求に対する売上のものであるかを確認し、「消込」作業を行います。

支払は振込処理にも留意しよう

仕入先によって、取引形態が異なる場合があります。「販売管理システム」の「仕入先マスタ」に登録しておけば、いつ、いくら支払うのかが管理できます。

支払の処理で気をつけたいのが、振込支払の「手数料」の扱いです。
自社が負担するのか、仕入先が負担するのかによって、請求金額のデータ処理が異なります。

  • 仕入先負担:支払に請求金額を入力します。
  • 自社負担:販売管理システムでは請求金額を入力し、手数料は会計システムで入力します。
今回のポイント
  • 「仕入プロセス」とは、販売するモノを仕入先から仕入で支払をするまでの流れ
  • 一般的な仕入プロセス:見積(依頼)→発注→仕入→支払
  • 支払先の取引形態には、現金取引・掛け(都度)取引・掛け(締め)取引の3種類がある。振込支払では手数料の扱いにも注意すること

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