「労務(ろうむ)」とは、労働に関する事務仕事一般のことを指します。具体的には、労働時間や休日を管理して、そこから給与を計算したり、各種保険手続きをしたりと働く人々をサポートする仕事です。現在は、労働報酬や社会保障手続きに必要なマイナンバーについての扱いも労務の重要な仕事の一部になっています。

従業員一人一人の管理に関わるのが「労務」の業務

「労務」は、従業員の給与計算や社会保険に関する業務を担当します。労務部や労務課として専門の担当者がいる場合と、総務や経理の担当者が兼任する場合とがあります。中小企業では、総務・経理の担当者が労務についても担当している会社が多いようです。

この労務、従業員一人一人の給与の金額や扶養家族があるかなど家族に関すること、休暇の取得など、プライベートな情報を扱うことが特徴です。担当者には、仕事の正確さ、丁寧さ、そして情報セキュリティの意識が求められます。帳簿類の扱い方、保管には細心の注意をしましょう。
さらに、平成28年度から始まったマイナンバー制度では、企業の労務管理の各種書類にマイナンバーを記載することが義務づけられました。従業員一人一人のマイナンバーを取得し、適切に管理するなど、新しい時代の仕事の仕方も求められています。

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税金と社会保険に関する手続きを担当

労務の仕事の給与計算は、毎月、従業員一人一人に対して行う仕事です。計算した給与の額からは源泉所得税や住民税などの各種の税金を差し引きます。徴収した税金は、会社として申告し、納税します。このための各種の計算や書類作成、申告を行うのは労務担当者の仕事です。

また、すべての会社には規模に関わらず、会社で働く人の生活を守るために、次の4つの保険に加入する義務があります。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険
  • 労災保険

労務担当者は、新入社員として入社した人の加入手続き、1年に1回の保険料を算定するための手続きを行います。こうした定期的な仕事のほかに、退職する人の離職関係手続きや労災保険や健康保険に関する給付金の受給手続きなども行います

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今回のポイント
  • 「労務」とは、従業員の給与計算や社会保険に関する業務のこと
  • 労務担当者は、給与から差し引かれる税金や社会保険料を計算し、各種手続きを行う