ビジネスを取り巻く環境の変化が激しい現代では、企業の競争力を維持・向上させるためにIT活用が不可欠となっています。特にIT専門家がいない中小企業にとっては、サーバー構築や専用システムの購入が不要な「クラウド活用」が注目されています。市場変化に強く、儲かる会社にするためのIT活用のポイントを知っておきましょう。

ITを業務や経営の「道具」として使いこなす

情報技術の略である「IT」は、今や大企業や情報通信業だけのものではなく、既に規模や業種を問わず全ての会社に必須のものとなっています。IT活用は、現場の業務を効率化するだけでなく市場の変化に対応できるスピードを向上させ、また効果的な収益力向上の機会を与える企業経営になくてはならない「道具」となっています。

現場の社員にとっては、業務のスピードを上げる道具に
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経営者にとっては、意志決定を助ける道具に
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技術の進化で、「道具」が進化

IT活用といえば、以前はパソコンとパッケージソフトを使うスタイルが一般的でした。現在では、技術の進歩によって大きく進化しています。

中でも注目されているのが、「クラウドコンピューティングサービス」と「モバイル」です。
クラウドコンピューティングサービスとは、インターネットを経由してクラウドと呼ばれる専用のデータセンターで情報システムやデータ管理のサービスを利用するものです。

サービスを利用するには、インターネットに接続したコンピュータからブラウザを使ってアクセスしますので、これまでのようにサーバーを構築したり個別のソフトウェアをそれぞれのパソコンにインストールしたりする必要はありません。従ってスマートフォンやタブレットなどモバイル機器からいつでも、どこからでも使えるのがメリットです。

また、ビジネスの成長に応じて必要な分だけ拡充して使えますから無駄がなく、導入費用も運用費用も自社でシステム構築するよりも圧倒的に低価格で済みます。中小企業にこそ強みを発揮する道具といえるでしょう。

クラウドコンピューティングについては、「クラウドって何?」で詳しく説明します。

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「道具の使い方」が進化

道具が進化すると、使い方も進化します。たとえば、従来の販売管理システムや給与システムでは、会社の特定のパソコンにシステムをインストールして、業務の担当者がデータを入力して集計をしていました。必要に応じて一覧を出力し、担当の部門長や社長が確認して使っていました。

クラウドサービスを活用すれば、業務の担当者が自分の机だけでなく外出先や現場からデータを入力できます。タブレットなどモバイル機器から入力したり、必要な資料を取り出したりして活用できます。会社に戻って作業する必要がなくなるので効率が上がります。
また、販売、会計、給与の業務システムを連携して使えば、最新の情報を経営者が自ら確認できます。次の一手を素早く打つために活用できます。

道具と使い方の進化を理解して、自社にあった情報システムを構築することが、競争力を高めるポイントです。

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今回のポイント
  • IT活用は、企業の競争力維持・向上に欠かせない道具
  • 中小企業には低価格で導入が簡単な「クラウド活用」が効果的
  • クラウドを活用して業務の効率化とスピードアップ、そして収益貢献が可能